急な腹痛や発熱に襲われたり、どうも体の調子がいまいちよくなかったり。でも、何科を受診すればいいのかわからない−−。そんな経験をしたことがある人も多いはず。もちろん自分だけでなく、家族がそのような状態に陥ることも、あるかもしれない。
そんな悩みを一気に解決してくれそうなのが、全国に調剤薬局を展開するアイセイ薬局が作った受診科判定アプリ「Search Dr.(サーチドクター)」だ。気になる体の部位や、現在出ている症状について5〜10個ほどの質問に答えると、どの科に行って受診すればいいかの候補を教えてくれる。また、症状から疑われる病気が表示される。
なお本来、病気を「診断」できるのは医師だけなので、このアプリで表示された病気はあくまで「診断結果」ではない点に注意してほしい。
「数名の専門医による医学監修を基にした、1,300以上の疾患データベースが入っています。ユーザーが人工知能のプログラムを介した質問に答えることで、疑いのある病気を5つ表示することができます」(同社コーポレート・コミュニケーション部部長・岩崎朋幸さん)
アプリを起動すると、まず画面は「症状から探す」「医療機関を検索」という2つのメニューに分かれる。ここで「症状から探す」を選択し、年齢や性別などのパーソナルデータを入力する。
すると、今度は「おっぱい」「腰/背中/おしり」など、体のパーツが11に分類された画面が現れる。この中から自分が気になる体の部位を選び、さらに詳細な部位と、そこにどんな症状があるかを指示に沿って回答していくことで、アプリは可能性のある病気を徐々に絞っていくという仕組みだ。
その結果、「あなたの症状について、以下の診療科目への受診をお勧めします」というメッセージとともに、「消化器科」「内科」など具体的な科目が一覧で表示される。画面下にある「医療機関を検索」をクリックすると、現在位置情報と連動して、最寄りの最適な医療機関を検索することができる。これなら、旅先で体調を壊すようなことがあっても安心だ。
同コーポレート・コミュニケーション部課長で、このアプリの開発に携わった田尻奈津子さんはこう語る。
「体調のよくない方に使っていただくアプリですから、できるだけわかりやすく、一連の流れがストレスなく、スムーズにできるか、ということを心がけるようにして開発しました。また、体の部位や症状についても、医学的な表現や用語のままではわかりにくいものも多いので、医師に確認したうえで、できるだけ一般的に使われる言葉に置き換えています」