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「名前が挙がった企業、個人のほとんどは、“租税回避が目的ではない。ビジネス目的であり、合法的で問題ない”と、釈明していますね。でも、租税回避の目的がないのなら、なぜパナマやケイマン諸島などをわざわざ使うのか。租税回避の目的“も”あることは間違いないでしょう」

 

こう主張するのは、民進党の「パナマ文書調査チーム」の副座長を務める、玉木雄一郎衆議院議員(47)だ。

 

世界中が注目するパナマ文書に記された、タックスヘイブンに設立された法人と、それに関連する企業や個人の名前や住所が、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)のHP上で公表された。その中には楽天の三木谷浩史会長ら日本人約230人。伊藤忠商事、丸紅など日本企業20社も含まれていた。

 

「実名リストが公表された10日から連日、国会議員をはじめ、国税庁、金融庁、財務省主税局の担当者らが出席し、国会内で『パナマ文書調査チーム』のヒアリングが開かれました」

 

この席上、日本の企業がタックスヘイブンに作った子会社で発生した利益に対する課税はどうなっているのか。こう玉木議員が、その実態を国税庁に聞いた。

 

「すると、“今回公開されたパナマ文書を活用して、これから調査します”と明言したんです。私も以前、大阪国税局にいたからわかるのですが、彼らにとってパナマ文書はまさに宝の山。リストに名前が挙がった法人、個人の中から、国税庁のメスが入る可能性は十分にあるなと感じましたね」

 

タックスヘイブンは非合法ではないが、世界では“合法的な脱税”、そういう認識が一般的である。国税庁の資料によると、タックスヘイブンにある子会社の利益を合算し、“真面目に”自己申告した企業の納税額は4,093億円(’14年)だという。

 

「国税庁が世界中のタックスヘイブンをどこまで捕捉できているかわかりません。しかし正しく申告された納税額が約4,000億円だとすると、“課税逃れ”をして、国に納められていない税金は、その数倍、1兆円以上になる可能性もあります」

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