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「『食べログ』はインターネットの中でユーザーの投稿や評価によって成り立っている消費者主導のメディアです。カカクコムからすれば、“レビューの材料”として家電もグルメも同じ。運営する側に『飲食店によくなってほしい』、『食文化を育てよう』などという思想はないんです。よく『食べログ』と比較される『ぐるなび』は、お店がお金を払ってページを作っている。だから、お店がよくなって儲かることは運営会社にとってもうれしいことです。同じように見えるサイトでも、在り方がまったく違います」

 

月間7,000万人もの利用者を抱える巨大サイト『食べログ』の“穴”についてこう語るのは、元ライブドア社長の“ホリエモン”こと堀江貴文氏(43)。

 

9月、飲食店業界を騒然とさせた「食べログ」騒動。「食べログ」といえば、ユーザーの評価で飲食店に5点満点の点数がつけられる口コミ系ウェブサイトだ。しかし、ある飲食チェーン店のオーナーが「(自分のお店の)食べログスコアがいきなり3.0にリセット」とツイッターに投稿し、「『食べログのネット予約を使ってもらわないと検索の優先順位を落とします』と」と続けて投稿。サイト側からの有料プランに参加しない店舗が、検索したときに表示されにくい「食べログ」のシステムに疑問を投げかけた。

 

この批判を受け「食べログ」を運営するカカクコムは、「サービスについてご説明に足りない部分があった」とし、9月半ばから検索結果画面に「広告優先」と表示するようになった。つまり、有料プランに参加している店舗を優先的に表示していることを明記するようにしたのだ。

 

そんな「食べログ」との付き合い方を、365日毎日外食を続けているという堀江氏が教えてくれた。

 

■点数は行った人の評価の平均点ではない!

 

「『食べログ』の点数は、その店の飲食店に行った人すべての評価の平均点ではありません。多くの店に通ってレビュー(口コミ)をたくさん書いた人は点数への影響力が大きくなり、数店しか書き込んでいない人は影響力が小さい。仮に同じお店でも、2万円を出して『おいしかった』と点数を高くつける人もいれば、『高かった』と低い評価を下す人がいます。しかし低評価のレビューを書いた人のほうが、多くの店を書き込んでいた場合、お店の総合評価は下がってしまいます。また重箱の隅をつつくような小さな問題を取り上げることも多いんです。接客がよかったよくなかった、雰囲気がよい悪いとか、いろいろ混ざっていて点数になるわけですから、評価が高い店がうまい店では必ずしもないのです」

 

■コメントはあまり信じない

 

「なかには、行ったこともないお店に電話をして、レビューを書くという人もいます。『食べログ』のシステム上、そういうレビューを排除することはできません。たしかに味以外の基準があってもいいとは思いますけど、お店に一見さんとして行って、けんもほろろな応対をされたとか、常連ばかり優遇しているといった書き込みは、あまりにも本筋からずれている。そんなレビューによって、店がつぶれてしまうこともある。“クレーマー的”な口コミを真に受けてはいけません」

 

■ほかのサイトと併用する

 

堀江氏は、「食べログ」は“電話帳”だと言いきる。

 

「多くの飲食店をカバーしている利点があることは確かです。でも、電話帳に載っている店がおいしいかどうか、判断するのは難しいですよね。たとえば食べたい場所や料理の種類などで検索すれば、こちらが欲しい情報だけをまとめている“まとめサイト”などもあったりするので、『食べログ』頼みになるのではなくほかの情報サイトを併用することが大切です」

 

氾濫する「食べログ」レビューをうのみにせず、自分だけの“お気に入り”店を見つけよう。

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