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(撮影:中原希実子)

 

11月26日、東京・八重洲ブックセンター本店で『林檎の樹の下で~アップルはいかにして日本に上陸したのか~上下巻』(光文社)の発売を記念したトークショーが行われ、著者・斎藤由多加氏、実業家の堀江貴文氏、そして作家の猪瀬直樹氏が登壇。トークショー後にはサイン会も行われ、100名の読者が参加した。

 

猪瀬氏が「(Appleと関わった)日本のサラリーマンの20年間にわたる葛藤や模索のプロセスが書かれている」と太鼓判を押す同書は’96年に刊行されたもので、約2年前に斎藤氏が堀江氏のWEB配信番組にゲスト出演したことがきっかけで復刊企画がスタート。その後、クラウドファンディングで出資を募り、約10年ぶりの復刻が実現した。

 

世界を牽引する企業に成長したAppleのベンチャー時代をリアルに描いたドキュメンタリーはそのままに、復刻版では小学館ビッグコミックスペリオールで『スティーブズ』を連載中の漫画家・うめ氏が名シーンをコミック化し、より読みやすく進化している。斎藤氏は「今回は堀江さんの提案で要所に漫画のイラストが散りばめられていて上下巻という形で発売することになり、とてもありがたいです」と感謝の気持ちを述べた。

 

’96年頃のAppleは戦略に行き詰った“風前の灯火状態”だったと振り返り、刊行した際に後書きを執筆した猪瀬氏から「どうしてAppleがどん底の時に本にしようと思ったのか」と質問された斎藤氏は「単純に(Appleが)好きで書いていた。だから最初から本にしようと思っていたわけではなかったんです。当時はインターネットも普及していなかったので人の紹介をたどって刑事のように取材しましたね(笑)」と同書の誕生秘話を明かした。

 

さらに、トークショーではスティーブ・ジョブズの人柄についても語られた。ジョブスが’85年にAppleを退社しNeXTを設立した当時を振り返った斎藤氏は「ジョブズは形から入る人なのだと思った。Appleに在籍していた当時は、うるさいという理由からコンピューターにハードディスクを付けなかった。NeXTではどうするのか? と聞いたら、“ハードディスクは付けます。でも本体を長いケーブルで壁の向こうに置いて、モニターとキーボードから遠ざけます”と言われたことがあります」と語り、そのためにジョブスは様々なデザインを研究していたと明かした。

 

ジョブズの“神話”ではなく、トップ企業に成長するまでの過程や、そこに関わった日本人たちの貴重な物語が込められた同書。iPhone発売から10年が経ち、記念モデル『iPhone X(テン)』が発売された今、改めて手にとってみるのもいいかもしれない。

 

 

『林檎の樹の下で~アップルはいかにして日本に上陸したのか~』

 

(上)禁断の果実上陸編/(下)日本への帰化編

好評発売中!

 

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著者:斎藤由多加

マンガ:うめ

復刊企画:堀江貴文

価格:1,300円+税

出版社:光文社

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