最大で死者32万人と推定される、マグニチュード9クラスの『南海トラフ巨大地震』。内閣府は3月18日、この地震による経済的被害は220兆円に上るとの試算を公表した。
ライフラインの被害は、関東以西の40都府県に及び、避難者数は950万人。断水人口は3,440万人、2,710万世帯が停電になると想定されている。食料も、震災後3日で3,200万食が不足。また、最低限のライフライン復旧には、およそ1週間かかるとされている。つまり、1週間を家族で生き延びることが重要になってくるのだ。
そこで、その1週間を生き延びるために必要なことを、『防災士』の資格を持ちサバイバル術も得意な、災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんに聞いた。大規模災害から”1週間命を守る”サバイバルポイントは次の5つ。
【自分が暮らす場所のリスクを知る】
地形、家の構造、避難所からの距離などで、考えられる危険は異なってくる。「沿岸部であれば津波、内陸部では火災など、地域によって危険の種類は違います。同じマンションでも低層階と上層階で、電源についてのリスクが変わってきます」
【水は20リットル以上の用意を】
1人につき1日3リットルが必要。腐敗しないように管理にも注意を。「生活用水は飲料水とは別に60〜80リットルが必要です。トイレを1回流すのに、6リットルの水を使います。とくにマンションの人は、水を流さない簡易トイレを用意しましょう」
【『ローリングストック』を心がける】
保存食の備蓄だけでなく、ふだんの食料をを多めに購入しておくことを心がけ、いざというときはそこから食べ始める。「食材を回転させながら、いざというときに備える『ローリングストック』を心がけてください。この場合、ガスコンロとボンベは必須です」
【『最悪』を想定して行動する】
自分自身がケガで動けなくなることも。IDや家族の写真を携帯する。「IDや血液型などがわかるものを持っておきましょう。また、東日本大震災では、家族写真を持っていたため、一緒にいなかった家族を見つけることができたというケースも多かったです」
【地域の防災訓練に参加しておく】
困難時は『自助』と『共助』。家族のリスクを減らすうえでも重要。「訓練で顔見知りになっておくと、実際の災害でも『あの人がいない』とわかってくれます。阪神・淡路大震災でも、70%の人が地域の人に助けられました」