「アベノミクスで円安株高になり、景気回復の期待感が広がっています。とはいえムードばかりが先行して、デフレ脱却へ進むのかは疑問です。先行き不安な今、ムードに踊らされ、投資に走るのは危険です。堅実にお金を貯める定期預金を見直しましょう」
そう話すのは経済ジャーナリストの荻原博子さん。定期預金は目的ごとに預金の期間や金額を決めると、お金は貯まりやすくなり、やむをえず途中解約しても元本を割ることはない。また、銀行が万一破たんしても、1,000万円以内であれば保護されるので安心だという。そこで、荻原さんにサービスが充実している地方銀行の定期預金の活用術4つを教えてもらった。
【1・教育費を殖やせる】
「教育費は子どもが小さいうちに貯めるのが鉄則。子育て世代を応援する定期預金で、効率的に貯めましょう。たとえば筑波銀行の子育て応援プラン『エンゼルサポート』定期預金は、子どもが1人なら0.1%、2人なら0.3%、3人なら0.5%が店頭金利に上乗せされます。通常の定期預金利率は0.025%ですから3人兄弟なら20倍以上!」
【2・利率上乗せも!ポイントシステムを使おう】
「給与振込みで20ポイント、公共料金の引き落としがそれぞれ5ポイントなど取引項目と残高をポイント化。その合計に応じて、ATMや振込み手数料が無料になったり、定期預金の利率が上乗せになるのがポイントシステムです。登録は無料ですが、登録しなければ何の特典も付きません。最近導入した銀行もありますから、取引のある口座は確認してみましょう」
【3・55歳から利率が約10倍】
「年金受取り銀行でのシルバー定期は高利回りです。近畿大阪銀行の『新年金定期』(1年もの)は、店頭金利に0.35%上乗せ。南都銀行や肥後銀行は0.3%上乗せなど、通常の定期預金利率0.025%と比べると10倍以上!さらにシルバー定期は、年金受取り口座に指定予約すれば、55歳から使えるところがあります。同じ預金するなら、利率の高いシルバー定期を利用しない手はありません。孫の教育資金を貯めたいといって、じいじ、ばあばに口座を開いてもらうのも手です」
【4・地銀のインターネット支店も活用の価値あり】
「ネット銀行の定期預金利率は、通常10倍、20倍です。無店舗型ネット専業のオリックス銀行『eダイレクト預金』は0.27%。従来型銀行のインターネット支店である香川銀行セルフうどん支店『超金利トッピング定期』は0.5%(1年のみ・100万円まで)など。従来型銀行といっても、利用するにはネット支店の口座を開設する必要があります」
なんとなく浮ついた今のような時期こそ、定期預金を賢く使って、地道に貯金することが得策のようだ。