「消費税引き上げまであと半年を切りました。しかし、増税前だからといって、大きな買い物を急いではいけません。住宅購入には住宅ローン控除の拡充、車には取得税の軽減など、消費税増税後も大きく損にならない施策があります。特に中古住宅は、増税前に購入してはいけません。中古住宅は個人対個人の売買ですから、消費税はかかりません。消費税が必要なのは仲介手数料など。住宅ローン控除が拡充される増税後のほうが、お得かも」

 

こう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。4月以降には、現在4000万円の一戸建て(このうち建物代2000万円)を買おうとした場合、消費税は100万円から160万円になる。住宅価格も上がっているので「買うなら今でしょ!」とあせっている人も少なくないようだ。

 

「消費税増税の負担額は、政府が実施する住宅購入支援策で軽減されます。これから探す人の『駆け込み消費』はお勧めできません」

 

そう指摘するのは、ファイナンシャル・プランナー(FP)の畠中雅子さんだ。

 

政府の支援策は2つ。1つは年末の借入れ残高の1%にあたる税金を還付する『住宅ローン減税』が、来年4月から10年間で最大200万円から400万円に引き上げられる。さらに、年収510万円以下の人に最高で30万円の現金を給付する『すまい給付金』が新設される予定だ。

 

「みずほ総合研究所」の試算によると、年収の6倍の住宅を購入した場合、消費税8%に上がってから買うほうが、トータルの負担が減るケースが多いという結果が出た。

 

「消費税8%時では、住宅ローン減税の拡充と住まい給付金の効果で、年収800万円以上と400万円以下世帯は増税後に住宅を購入したほうが有利になります」(同チーフエコノミストの高田創さん)

 

しかし、年収500万円の人は28万円、600万円の人は11万円の負担増になるので、増税前に買ったほうがいいように思えるがーー。

 

「今、確かに住宅価格は上がっていますが、販売先が売りたいのは売れ残った物件、駅から離れた奥地や傾斜地に建てられたワケあり物件です。納得のいくまでいい物件を探して、増税後、価格が下がったところで、値引き交渉をしながら買ったほうが、いい買い物ができます」(畠中さん)

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