「’14年の経済は明るい兆しが見えた感がありますが、二極化が進み所得格差がさらに開く可能性があります。景気のいい企業など一部の人は潤うけれど、それが全ての人までは回ってこないうえに、リストラなどもまたあるのではないかと推測されます」
経済評論家の荻原博子さんに’14年の景気と、家計を守るポイントを伺った。荻原さんによると、景気の判断は基本給で計り、それもよそのお宅の数字ではなく、わが家の基本給が肝心と強調する。
「かつては日本全体が好景気に沸いたものですが、いまやお隣と、わが家の景気は同じではないということ。お隣の好景気ムードに流されてはいけないのです」(荻原さん・以下同)
ではどこを指標とすればいいのか?
「来年の春闘で上がるか否かが分かれ道。それぞれの基本給が上がれば『景気がよくなった』と実感してもいいと思います。けれど、その感触がないうちに、住宅ローンなど大きな買い物をしてしまうと、かなり苦しい展開がありえます」
一方賃金がどうなるかわからない中、’13年に引き続き、’14年も物価はじわじわ上がっていくのではと荻原さんは話す。
「電気代やエネルギー、社会保険料や消費税は確実に値上げ。原材料や石油系など輸入頼みの商品も、企業は値上げを発表しています。だからといって、消費税が上がる4月までに駆け込みで大きな契約を結ぶことは禁物です。煽られて不要な出費をしないよう。サラリーマンのご家庭は4月の春闘まで我慢して様子を見ることです」
そこでまず、昨年までどうしても赤字を出してしまっている人は、まず1カ月でも、1週間(×4・2で計算)でも家計簿をつけて家計をクリアにしてみることが大切、と荻原さんはアドバイス。
「実際どこを引き締めるか。いままで積み重ねてきた節約ワザを地道に続けるだけでなく、さらに進化させていく。食材を使い切れず捨ててしまうことはありませんか?ここは“聖域”と思って削れなかった教育費や通信費なども、本当に全て必要なのか、ご家族で話し合ってみてもいいでしょう」