「地方では人口が減っているため、信用金庫や地方銀行は預貯金を維持していこうと、魅力的なサービスや金融商品を増やしています。一定のルールを満たすことで金利が優遇されたり、プレゼントが当たったりと、ユニークなサービスもいろいろあります」
こう語るのは、ファイナンシャルプランナーの坂本綾子さん。地銀&信金の面白サービスを教えてもらった。
お得なサービスの中でまず目立つのは、抽選で賞金や商品が当たる「懸賞つき」の定期預金。人気は変わらず、多くの地銀・信金で売り出されている。中には、その土地にゆかりのあるものが商品になっているものも。大阪市に本店を置く池田泉州銀行の「すみれの花定期預金」は、抽選で年間500組・1000人を宝塚歌劇に招待。プラチナチケットとは、地元ならではの太っ腹企画だ。
プレゼントといえば、夢が膨らむ「宝くじ」つきの定期預金も多い。’14年には京葉銀行(千葉県)で、定期預金の契約者にプレゼントされた宝くじが、7億円という高額に当せんしたことで大きな話題になった。
スルガ銀行(静岡県)では、’99年にジャンボ宝くじつき定期預金を売りだして以来、これまで11人もの億万長者を生んでいる。10万円以上の当せん者は1,400人以上!手元に届く宝くじは、三島大社で当せん祈願がされているそう。
母親世代にとってありがたいのは、子育てを応援してくれる特典やサービス。子供の数に応じて金利が上乗せされる仕組みだ。「少しの金利の差なんて」とバカにはできない。
「たとえば、横浜信用金庫の『子育て応援定期預金』。子供が1〜2人で年利が0.2%上乗せ、3人以上で0.3%上乗せとなります。通常のスーパー定期の2年もの金利を0.03%とした場合、子供を3人育てている家庭が300万円を2年間預けたとしたら、『子育て応援定期預金』を利用した税引き後の利息は1万5,800円。利用しないと1,434円ですから、その差は歴然です」(坂本さん)
子供が1人からでも、金利が優遇される金融機関もあり、少しでも有利な金利を提供する銀行を見つけたい。ほかに新庄信用金庫(山形県)のように、子供の名前が主人公になった絵本をプレゼントしてくれる定期預金も。
最近、取り扱いが増えているのが、退職金や年金を対象にした優遇サービスだ。
「退職金を一定額、預け入れてもらう、あるいは年金の振込口座に指定してもらうことで、金利の優遇やプレゼントを贈る、といったものです。今、銀行がいちばん力を入れている分野で、それだけ手厚い優遇を行なうところが多いということ。身内が退職するようなことがあるなら、要チェックです」(坂本さん)