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意外に少ない新電力への切り替え事例。しかし、経済産業省のアンケート(’16年9月)では新たに契約した人の88.6%が「切り替えに満足」していると回答。理由は「電気料金が安い」「電力が安定している」など。“案ずるより産むがやすし”なのだろうか。

 

「私も、昨年4月早々に切り替えました。驚いたのは手続きの簡単さです。新しい契約先に電話を一本かけるだけ。毎月届く『電気使用量のお知らせ』を見ながら。質問に答えるだけで完了しました。ただ、自由化直後だったためか、実際に切り替わるまではしばらく待ちました。といっても工事などは必要ありません。いつの間にか切り替わっていて、それ以前と何も変わらず電気を使っています」

 

そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。昨年4月に電力が全面自由化されてからもうすぐ1年。誰もが自由に電力会社や料金プランを選べるようになった。だが、昨年末までに電力会社を切り替えた世帯は257万件余りで、全体の4.1%(電力広域的運営推進機関)と意外と少ない。

 

「そもそも電気は、どんな会社がどんな方法で作っても、いったんひとつの大きな“プール”に集められます。そこから、これまでと同じ電線を通って各家庭に送られるので、どの電力会社と契約しても、電気の品質は変わりません。したがって品質面では安心。あとは料金の安さや、自然エネルギーなど電気の“作り方”、トラブル対応力などを見比べて、電力会社を選べばいいのです。検討の際には、比較サイトなどを参考にするといいでしょう」

 

切り替えに際して注意してほしいのが違約金。料金プランのなかには2年契約などの契約期間を定め、更新期間に解約の申し出がない限り自動更新するものがある。

 

「携帯電話の2年縛りと同じような仕組みで、更新期間外の解約は違約金がかかります。契約期間の定めがなければ、契約後に不満がある場合、元の電力会社に戻すことや、また別の会社に変更することは、いつでも無料でできます。2年契約では料金が安くなるプランが多いのですが、初めて切り替えるときには、念のため避けたほうがいいでしょう」

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