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本誌5月7日号にて、人生100年時代を生き抜くために「元気の秘訣を」教えてくれた大正生まれの女性たち。いつまでもエネルギッシュに活躍する彼女らが、「言い残したことがある!」と語り始めたのは、新時代を迎えるにあたっての、社会、そして女性たちへの“激励メッセージ”だった――。

 

「平成という時代が素晴らしかったのは、戦争がなかった、ということです」

 

瀬戸内寂聴さんは書斎にこもって小説を書いているだけではない。安全保障関連法案に反対を表明するために車いすに乗ったまま反対集会や街頭デモにも参加した「行動する作家」である。

 

「安倍政権とそれに続く政権が、平和を守るかどうか、みんなでしっかり監視して、戦争をしたがる政党や政治家には、選挙のときに1票も入れない。そうやって私たちは、戦争のない時代を令和へと継承していきましょう」

 

ここ数年、九州から北海道まで、日本全国で集中豪雨による災害が続き、多くの人が亡くなった。

 

「『天災だから予知することも防ぐこともできない』『想定外だからどうしようもなかった』、というのは、言い訳だと思います。地震や台風そのものをなくすことはできないけれども、山肌や住宅地の土砂崩れ、堤防の決壊、河川の氾濫などの被害は『天災』ではなく『人災』だと思います」

 

住宅街に近い山や丘の斜面の滑り止めをすること、土手や排水路の整備……、科学技術が進歩した日本で、それができないのは国の責任、と寂聴さんは続ける。

 

「予算がないと言いながら、海外侵略に使える空母を建造するなど、軍事費は毎年うなぎ上り。将来性がまったくない原子力発電とその関連企業へも、湯水のように税金をつぎ込んでいます。その一部を回せば、災害対策はできないはずがありません。いまの政権はろくでもない政治家の集まりです。私たちが『政治のことは政治家に任せておけばいい』と思っていては、何も変わりません」

 

若い人たちを「青春は恋と革命だ」と励まし続けてきた寂聴さん。そんな寂聴さんがいま私たちに提言するのは「家庭内革命」だ。

 

「才能・能力がある女性に掃除・洗濯だけをやらせて、台所に閉じ込めておくなんて、もうそんな時代ではないのです。昔と違って70歳や80歳になっても、舅や姑は元気です。姑には掃除と洗濯。定年退職した舅には家事の中でもいちばん面倒くさい三度の食事の支度を任せなさい。もちろんご主人にも、家事と育児を分担してもらいましょう。家庭環境を変えていくためには家族みんながコミュニケーションを図って、風通しをよくしなければいけません。そのための秘訣は朝起きて、最初に顔を合わせた家族、つまり舅姑、ご主人、子どもたち、お孫さんに、あなたから元気よく、笑顔で、『おはよう!』『おはようございます』と言うことです。簡単でしょう。才能ある女は社会に出て働き、政治に目を配り、政府に反対ならば声を上げ、デモにも参加してください。家事から解放された女たちの力で、平和な日本を守りましょう」

 

そして寂聴さんは最後に、あの朗らかな笑顔で付け加えた。

 

「いまの政府は国民がいくら反対しても知らん顔です。しかし女性が動けば変わります。まだ、希望はあるのです」

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