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天皇陛下の即位に伴う儀式が終了し、2020年に向けて動きだされる雅子さま。その原点は皇太子妃時代から続ける子供たちとの交流にあった。

 

雅子さまの誕生日に発表された医師団の見解の中に《私的な部分でもご活動の幅を広げていっていただくことが大切だと考えております》との提案があった。

 

12月4日に皇居の宮中三殿の賢所に参拝され、天皇皇后両陛下は即位に関する一連の儀式を終えられた。’20年は新たな活動を始める年となるのだろうか。精神科医で立教大学教授の香山リカさんはこう捉える。

 

「令和になり、雅子さまは皇后としてのお立場でしっかりとお務めをなさっています。ただ、医師団の言う『私的な部分』が何かと考えると、皇后の公務だけではなく、雅子さま個人にとってライフワークとなるテーマが必要だということでしょう」

 

12月9日に発表された誕生日文書にはこのような一節がある。

 

《プラスチックゴミなど多くの環境問題や、日本国内の貧困や子供の虐待などの問題、また、世界で紛争や内戦が続いていることなどにも心が痛みます》

 

また1年前、55歳の誕生日に際しての文書にもこのような言及が見られる。

 

《最近、国内では、子供の虐待や子供の貧困など、困難な状況に置かれている子供たちについてのニュースが増えているように感じており、胸が痛みます》

 

雅子さまは“子供の虐待”を防ぎたいというお気持ちを繰り返し訴えられているのだ。

 

’18年3月、東京都目黒区のアパートで当時5歳の船戸結愛ちゃんが虐待を受けて死亡した事件。’19年1月、千葉県野田市で起きた10歳の栗原心愛ちゃんが、父親による虐待で亡くなった事件。

 

悲惨な虐待事件が相次いで起こる日本の状況に、雅子さまはずっと以前から心を痛められてきた。20年前、36歳の誕生日にも《特に最近は、児童の虐待が急速に増加していると聞きます》と、子供たちを守るために社会全体の取り組みが必要だと訴えられていた。

 

令和の皇后として歩みだされた今だからこそ、雅子さまは「虐待される児童をゼロにしたい」という宿願を抱かれているのだろう。皇室担当記者が明かす。

 

「実は、雅子さまは療養に入られる前から、難しい状況にいる子供たちに心を寄せられていました。お忍びで聖路加国際病院の小児病棟を訪問されて重病の子供たちを励まされるなど、多くの児童養護施設をお訪ねになっています」

 

神奈川県葉山町の「幸保愛児園」には、療養に入られてからもクリスマスカードを送られた。’02年11月に最初の訪問をされた世田谷区内の社会福祉法人「福音寮」も、長年の交流がある児童養護施設のひとつだ。理事長の飯田政人さんに話を聞いた。

 

「ご訪問後、子供たちは雅子さまのお誕生日に合わせて毎年、将来の夢や思いを手紙にしたためて送ることが恒例になりました。みんな楽しみに書いています。子供たちへの“お返し”として、翌年のバレンタインデーには、雅子さまからお菓子や花が届くようになり、かけがえのない交流が続いています」

 

雅子さまは、長期ご療養中に入られた後の’06年と’16年にも、「福音寮」を私的なご視察という形で訪問されている。

 

「前回のご訪問では、10年前に雅子さまにお会いした卒業生たちも『ぜひお会いしたい』と戻ってきて、皆が笑顔で思い出話をいたしました。それぞれに事情があり親と一緒に暮らせない子供たちを、皇后さまは心からずっと応援し続けてくださっているのです。施設を運営している職員らにも励ましのお声がけをいただき、そのお気遣いに感動いたしました」(前出・飯田さん)

 

療養中も“弱者救済”の信念を貫き、ひそかに活動を続けてきた雅子さま。ベテランの皇室ジャーナリストも期待を寄せる。

 

「即位関連の行事も終了して、雅子さまにも少し心身の余裕がお生まれになるかもしれません。陛下のご公務にもほとんどご一緒にお出ましになられ、ご体調は快復傾向にあります。私的なご活動を広げられるには今がチャンスなのです」

 

皇后になられて2年目の本格始動へ! 子供たちの笑顔を守るため、雅子さまは再び立ち上がられる――。

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