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「潔白だというのなら、司法の場で正々堂々と無罪を証明すべきであると思います」

 

日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(65)によるレバノンでの会見を受け、1月9日未明に行った緊急会見でこう語った森まさこ法務大臣(55)。いま、この発言に批判が集まっている。

 

《法務大臣が「検察が有罪を証明できない限り被告人は無罪(有罪を立証する責任は検察にある)」という推定無罪の原則を理解してねえんだもの そりゃ逃げたくもなるわな。中世の魔女裁判かよ》

 

「推定無罪」とは、刑事裁判において被告人は有罪が確定するまでは“無罪の人”として扱わなければならないという原則のこと。憲法だけではなく、日本が批准している国際人権規約などでも定められている近代法の基本原則だ。したがって刑事裁判では被告人が有罪であることを検察が証明する必要があり、被告人側が無実であることを証明する責任はない。もちろん検察側が有罪を証明できない限り、被告人は無罪となる。

 

《この発言に世界は腰を抜かすでしょうね。「日本の法のトップは『推定無罪』の原則も知らないのか」》

 

ツイッターでは「無罪証明」というワードがトレンド入りし、法曹関係者を含む識者も森氏の発言を批判している。森氏は法務大臣である以前に、弁護士でもある。本来であれば「推定無罪」の原則など、釈迦に説法のはずだが……。会見から15時間以上たった1月9日の午後4時半過ぎ、森氏はツイッターでこんな釈明を行った。

 

《無罪の『主張』と言うところを『証明』と言い違えてしまいました。謹んで訂正致します。記者の皆様に配布したコメント文面には“わが国の法廷において『主張』すればよい“と記載してましたが私が言い違えてしまいました》

 

ということだが、森氏は会見直後に自身のツイッターで《カルロス・ゴーン被告人は自身が潔白だというのであれば、司法の場で正々堂々を無罪を証明すべき》ともツイートしており(原文ママ、現在は削除)、“言い違え”という釈明は素直に受け入れ難い。

 

ゴーン被告は「日本の司法は有罪が前提で、基本的人権が無視されている」と全世界に向かった主張した。世界の目が日本の司法制度に向けられているなか、森氏の発言は疑念を生みそうだ。

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