「市役所などは、不特定多数の人が出入りするうえに、書類をそろえたりしてどうしても時間がかかってしまいます。いまは給付金の申請で3時間待ちといった状態もあるようですし、クラスターを警戒すべき環境だといえるでしょう」
コロナ禍による苦境で、一日も早く協力金や給付金を申請したくなるが、役所での感染リスクも心に留めなければならないのだ。
栃木では5月21日、宇都宮市内のスーパーで従業員とその家族計6人の感染が発表された。同市はクラスター認定したうえで、「商業施設での集団感染は全国的に稀だが気を緩めると大規模感染につながりかねない」と注意を呼び掛けた。
帝京大学大学院公衆衛生学研究科の高橋謙造教授はこう語る。
「スーパーなど換気の悪い場所は、注意が必要です。劇場や映画館なども空気が滞留しやすく、感染のきっかけになる恐れがあります」
また日常生活に身近な場所でも、クラスターは発生していた。
「日本国内では4月以前にも住宅設備の展示会や卓球スクール、スポーツジム、合唱団でのクラスター発生事例が報告されています。海外では結婚式や葬儀、建設現場、団地などでも発生しています」(医療ジャーナリスト)
前出の高橋教授も言う。
「フランスでは観光地の山小屋でクラスターが起きました。そこで感染した人が全国各地に散らばって感染を広げてしまった。不特定多数の人が集まりやすい施設に行くときは注意が必要でしょう」
「女性自身」2020年6月9日号 掲載
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