「Go Toキャンペーンで観光が盛んになれば、やはり人の移動が増えるので感染拡大のリスクは増えます。北海道での感染拡大の要因の一つになっていると思います」
こう語るのは感染症専門の「のぞみクリニック」筋野恵介院長だ。11月に入り、再び新型コロナウイルスの感染者が日本でも増加している。特に顕著なのが北海道だ。
「北海道では11月9日、1日の新規感染者数が過去最多の200人となり、5日連続の100人超えに。札幌市を中心に感染が拡大している状況を受け、鈴木知事は7日の記者会見で警戒ステージを『3』に引き上げることを決定。札幌の繁華街・ススキノで酒を提供する飲食店などを対象に営業時間の短縮を要請することになりました」(全国紙記者)
田村憲久厚労相も「非常に危機感を持っており、感染がこれ以上、広がらないよう努力したい」と、対策強化に乗り出した。北海道の感染拡大について、帝京大学大学院公衆衛生学研究科の高橋謙造教授はこう語る。
「米国・メリーランド大学の研究グループの分析では、中国・武漢やイタリア・ミラノなど感染拡大が深刻となった都市のほとんどが北緯30~50度の範囲に位置し、低温・低湿度のゾーンに収まっていたそうです。そう考えると、札幌も北緯43度、11月の気温も約5度。
また、暖房により室内の空気も乾燥し、ウイルスの増加条件に合う環境といえます。さらに、Go Toによる感染者増加も想定されていました。今後、湿度や気温が下がることでウイルスも活性化してきますので注意が必要です」
寒さという気候条件に加え、Go Toキャンペーンの影響で、明らかに「人が集まる場所」に感染が多発しているようだ。前出・筋野院長は続ける。
「東北では宮城県だけが増えていますが、県内に繁華街があり、観光などの影響もあると思います。秋も深まることもあり、これから紅葉を目当てに旅行する人も増えるでしょう。感染拡大のリスクが明らかに高まります」