感染拡大も、紅葉前線とともに日本列島を南下していく危険性があるという。

 

「これから京都の観光がピークを迎えます。ホテルや飲食店などでは寒くなると暖房も入れて換気もあまりしなくなるので、それも感染リスクを高めます。感染しやすい環境で人が集まれば、状況はさらに悪化します」

 

なんと紅葉の最盛期を迎える11月中旬ごろには“紅葉クラスター”が発生する懸念があるというのだ。さらに、冬場に向け感染を警戒すべき場所があるという。

 

「スキー場も非常に危険です。おそらく予約制や人数制限をかけることが予想されますが、ゲレンデはともかく、休憩スペース、食事処、更衣室などの屋内は暖房をきかせた密閉環境で、換気できません。スキー場の屋内はかなり危険な環境なのです。車で着替え、施設を使わないといったことができればいいですが、屋内のスペースに入る場合は、着替え中でもマスクを取らないなど、特に注意が必要でしょう」

 

Go Toイートを使用した忘年会やクリスマスイベント、また、帰省や初詣でなど、年末年始に向かってますます人の移動は激しくなっていく。今後の注意点を筋野院長はこう指摘する。

 

「政府は帰省や初詣でなどの人出を分散するために、休みを長く取るよう求めています。しかし、休みが増えたらその分、ほかのところに行く人も増えるはずです。休みが10日、2週間と長くなればいろんなところに行こうと思うでしょう。それだけ観光地などの感染拡大のリスクは高くなる可能性があります。

 

基本に立ち返り、手洗いとマスクを徹底していただきたいのですが、冬場になると手洗いの頻度が減るので心配です。乾燥により手荒れが多くなると本能的に手洗いの回数が減少する恐れがあります。外出時はこまめにハンドクリームを塗ったり、携帯用のアルコールスプレーを持ち歩く対策をしたほうがよいと思います」

 

紅葉シーズンでの外出時、高橋教授もこんなアドバイスを送る。

 

「新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスと同様、高湿度になると死滅するとされていますから、暖房器具を使用した部屋の湿度を50%以上にキープすることをおすすめします。旅行に行かれる際には複数で行動することも多くなるでしょう。1人のときは徹底していた人も、家族や友人との外出では気が緩みやすくなると思います。常に予防対策は忘れないでください」

 

“紅葉”を楽しむなら、マスク&手洗いの“効用”もお忘れなく!

 

「女性自身」2020年11月24日号 掲載

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