毎年、“流行っていない”とか“偏っている”などと批判されることの多かった新語・流行語大賞。長年、表彰式を取材してきた全国紙記者はこう指摘する。
「いまはみんなが同じテレビ番組を観ているような時代ではないですし、ニュースサイトでは個々のユーザーの興味に合わせて記事が表示され、SNSでは同じ趣向をもつ人だけが繋がる時代です。誰もが納得する“流行語”などは生まれにくくなっているし、あるコミュニティで一般的になった“新語”を別のコミュニティに属する人がほとんど聞いたことがないということもあり得ることです」
“今年のトップテンには納得いった”という声が多いのは……。
「新型コロナウイルスという厄災を、国民全員が共通の経験としたことが大きいと思います。西日本に住む人にとって東日本大震災は遠い場所での出来事だったかもしれませんが、新型コロナは北海道から沖縄まで、ほとんどの人が無関係ではありませんでした。国民がここまで同じ厄災を共有したというのは、もしかしたら太平洋戦争にまで遡るかもしれません。そこから生まれた言葉も、必然的に国民全員で共有できるものになったのでしょう」
あなたは今年の新語・流行語に納得いきましたか?
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