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「GoToトラベル」の全国一斉停止の発表を行った14日夜、菅義偉首相(72)が銀座のステーキ店で8人の忘年会に出席し、批判が噴出している。さすがに耐えきれなくなったのか、菅首相は16日午後に日本テレビのニュース番組で単独インタビューに応じると、「すぐ帰るつもりが長引いた」と言い訳しながらも「大いに反省している」と述べて幕引きを図った。

 

しかし、ひと足遅すぎた。西村大臣が菅首相に忖度した“珍回答”を世に放った後だったからだ。

 

西村大臣は15日の会見で、会食する際は「クラスター(感染者集団)の8割以上は5人以上だということも頭に置き、長時間、大人数はできるだけ避けていただきたい」と「5人以上の会食は控える」よう呼び掛けていた。それを踏まえ、16日午前の衆院内閣委で野党議員から「5人以上の会食はいいのか悪いのか、結局国民はどっちだ(と思う)」という趣旨で追求されると、西村大臣は次のように説明。

 

「一律にですね、5人以上はダメだということを申し上げているわけではございません。できるだけそれは控えていただきながら、もしどうしてもされる場合には、それは感染防止策を徹底して、アクリル板のある店を選んでくださいとか、換気に注意してくださいとか、こういったことも併せて申し上げております」

 

誰が見ても苦しい発言なのは明らかだが、つまるところ、換気をしてて、アクリル板があって、感染対策をしていれば5人以上でも問題ないということらしい。

 

しかし、菅首相が会食したステーキ店には、アクリル板はなかった。

 

ごく最近この店を利用した常連客によると、

 

「この店には個室にもカウンターにもアクリル板はありません。ただ、他のグループとは接触しないように、個室か、カウンターであれば1グループを貸切で利用させるような対策は取っています」

 

なぜ、わざわざ具体的に「アクリル板」と言ったのだろう。野党の追及は予測できたはず。「アクリル板」と言うならせめて事前に菅首相に確認しておけばよかったものだが…。

 

二階幹事長も、「マスク会食したのか」と記者から聞かれると、「マスクとらなきゃ食事できないじゃないですか」とキレ気味に解答。11月19日に菅首相自らが「ぜひ『静かなマスク会食』をお願いしたい。私もきょうから徹底したい」と国民に呼びかけたのだが、二階幹事長はもしかすると”マスク会食”を知らなかったのかもしれない。

 

さらに、政府の分科会は感染予防対策として「短時間」での会食も呼びかけていた。菅首相は45分の滞在だったと強調するが、110分遅刻しているので会自体は2時間半。いたって普通の長さだ。

 

しかも、今回の参加者は菅首相と二階幹事長のほか、プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長(80)、俳優の杉良太郎氏(76)、タレントのみのもんた氏(76)、林幹雄幹事長代理(73)と、元宿仁・自民党事務総長(75)、政治評論家の森田実氏(88)。菅首相が国民に自粛を求めた「65歳以上」どころか、全員70代以上の高齢者だ。

 

これまで政府が提唱したことを無視しているような今回の会食。西村大臣は、そんな菅首相を肯定化するためだけに“言い訳”して菅首相を擁護。結局、菅首相がテレビで謝罪に至ったが最初から「首相の会食の感染対策は不十分だった」と言えばよかったのでは――。

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