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昨年12月に、イギリスで見つかり、世界中を震撼させた新型コロナウイルスの変異種。従来種よりも最大1.7倍の感染力があり、ロンドンでは厳格なロックダウンに踏み切ったにもかかわらず、またたくまに感染は各国に拡大した。

 

新型コロナウイルスが姿形を変えて、人や経済を窮地に陥れる。“恐怖のウイルス”をイメージした人も少なくないが……。

 

「変異種と聞くと、悪魔がパワーアップしたような印象を持つ人が多いのですが、ウイルス自体が意思を持って、感染力を上げようとしているわけではありません。ウイルスが増えていく過程で、遺伝子のコピーにエラーが起こり、性質の異なる変異種が生まれていくだけです。そして、たまたま生まれた、感染力が強いという有利な特性を持った変異種が生き残っているということなのです」

 

そう語るのは順天堂大学医学部講師で免疫学が専門の玉谷卓也先生だ。

 

「ウイルスが変異するのは不思議なことではありません。日本で猛威をふるっている新型コロナウイルスも月に1〜2回の変異を起こしています。初期の武漢型はもはや姿を消して、今は欧米に渡って変化したヨーロッパタイプが国内で蔓延しています。そして、そのウイルスも常に変化し続けていますが、多くの場合、ほとんど性質は変わりません」(玉谷先生・以下同)

 

世界を混乱に陥れる“感染力の強い”変異種はどう生じたのだろうか。

 

「コロナウイルスの“コロナ”とは王冠という意味。冠状のギザギザの形状をしているスパイクという突起があるのが特徴です。このスパイクが人の細胞表面の受容体に結合して感染が起こります。この結合力が増して感染しやすくなったのが変異種だと考えられています」

 

「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載

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