■「若い人も高齢者も副反応は同じ」
今回取材した専門家たちに、“接種を控えるべき条件”について聞いてみた。
「ワクチン接種によりコロナ感染を防ぐというメリットと、接種による副反応というデメリットのバランスを、個別に判断していくことが必要となります。
その際に、一つの尺度となるのが、“病気の重篤度”です。たとえば、高齢で、認知症のために寝たきりのような状態の方であれば、ワクチンの副反応が出たときに、体に致命的な影響が及ぶ可能性もあるでしょう。また心臓が弱っている方の場合、ワクチン接種で高熱を発することで、さらに心臓への負担がかかり、亡くなってしまうというケースもあるかもしれません」(谷本さん)
現在は、医療従事者についで、高齢者が優先的に接種できるという方針が示されている。1月25日に厚生労働省は、65歳以上の高齢者への接種券を3月中旬以降に発送するといったスケジュールを明らかにした。
だが、岡田さんは違和感を覚えているという。
「ワクチンを製造している会社の論文を読むと、若い人も高齢者も副反応は同じ、とありますが、たとえばインフルエンザワクチンも私の経験では高齢者のほうが副反応は強いです」
また、深刻なアレルギーを持つ人も注意が必要だという。
「イギリスでは医薬品や食品、あるいはワクチンに対して重大なアレルギー反応が現れたことのある人には接種しないように呼びかけています」(宮坂さん)
「アナフィラキシーを起こしたことがある方は避けたほうがいいと考えています」(谷本さん)
最後に宮坂さんは、こんなアドバイスをしてくれた。
「一般の人に接種の順番が回ってくるまで、あと数カ月は必要になるでしょう。その間に、世界のワクチンに関するデータは積み上がっていきます。そのデータを見て、自分は打つべきかどうか最終的に判断してはどうでしょうか」
自分や家族の身を守るために、感染状況だけではなく、ワクチンの影響にまつわるニュースも注視していく必要があるのだ。
「女性自身」2021年2月9日号 掲載