「真面目で謙虚で学校でも目立つタイプではありませんでした。そんな人が国民からこれほど注目を集めていることに驚いています」
そう語るのは、3月1日に辞職した山田真貴子内閣広報官(60)と高校時代に同級生だった女性。
「山田氏は東京学芸大学附属高等学校の出身。’13年に安倍晋三前首相の秘書官、’20年には内閣広報官に抜擢され、菅義偉首相の会見を仕切っていました。いずれも“女性初の就任”ということで話題になりましたが、総務審議官だった’19年に、菅首相の長男らとの会食で、7万4千円を超える高額接待を受けていたことが明らかになり、一気に“ゴチ広報官”として有名になりました」(政治評論家・有馬晴海さん)
それほど高額の会食であったにもかかわらず、2月25日の国会答弁では、「覚えていない」「記憶にない」を繰り返した彼女。
答弁翌日には夫で総務省情報流通行政局長・吉田博史氏と住む都内の自宅マンションにも報道陣が集まった。住人によれば、
「このマンションは’05年に新築され、山田さん一家も当時から住んでいます。部屋のほとんどが1億円を超える物件で、山田さんのところもそうだと思います。マンションに住んでいるのは医師や弁護士、会社の社長や役員が多く、公務員の方は珍しいですね」
マンション購入当初はローンも組んでいたが、わずか5年で完済している。山田氏は最近では“強権広報官”としても報じられていた。
「菅首相の会見の仕切り役ですが、質問を希望している記者がいても、事前に決めた社以外の質問は許さず、時間がくると質問の途中でも打ち切ってしまうのです。本人は否定していますが、菅首相がNHKのニュース番組に出演した翌日に、『総理、怒ってますよ』と、抗議電話をかけたとも報じられました」(前出・有馬さん)
そんな山田氏だが、かつては“庶民派”をアピールしていたこともあったのだ。総務省総合通信基盤局国際政策課長を務めていた当時、毎日新聞のインタビューを受けた彼女は、日曜日は少年野球に出かける息子のため、早起きをしておにぎりを握っていることを明かし、さらにこう語っていたのだ。
《(少年野球での母親同士の交流も貴重な情報交換の場であり)生活者であることと、世の中に役立つ仕事をすることは密接な関係にある》(’08年5月26日付)
だが安倍前首相や菅首相の寵愛を受けているうちに“変貌”してしまったのか。
山田元広報官は前述の毎日新聞のインタビューで、《霞が関にいると、実際の国民の生活を忘れがちなところがある》とも語っていた。この自戒を忘れなければ、辞職には追い込まれなかったのではないだろうか。
「女性自身」2021年3月16日号 掲載