■「うちに入れることはもう諦めてください」
前出の看護師は、本誌で次のように明かす。
「最近は患者さんが多すぎて、ICUとコロナ病棟は常に満床の状態です。一般病棟だったところもすべて重症病床になりましたが、それでもとても追いつきません。毎日1~2床のベッドが空いたとしても、すぐに埋まってしまう。その繰り返しなんです。
そしていよいよ、“80歳以上の患者さんは受け入れない”という決定が下されました。高齢者施設でクラスターが起こったとしても、『うちに入れることはもう諦めてください』とお断りしているんです……」
“80歳以上の患者は受入れ拒否”という非情な決断を下さなければならないほど、追い詰められている医療現場。そこには、変異株の特徴も大きく関係しているようだ。
「現在、入院患者の8割が変異株の感染者。一般病棟にいる患者さん全員が、少し前ならICU行きといわれていたレベルです。
また、これまでは新型コロナの重症患者といえば高齢者ばかりでした。しかし、最近はかなり若い患者さんも増えています。メーンとなるのはやはり40~60代ですが、20?30代でも人工呼吸器をつけるケースは少なくありません。
そして今回の変異株については、悪化するまでの“スピード”も問題です。以前は2~3日かけて少しずつ進行していくケースが多かったのですが、変異株に感染している患者さんだと数時間で急激に悪化することもあります。そのため、たとえ若い患者であっても目が離せないのです」(前出・看護師)
医療崩壊は大阪に限らず、全国でも起こりうるはず。最前線で戦う医療従事者たちの悲痛な叫びは、行政に届くのだろうか。
「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載
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