すでに感染済みの人は? 医師に聞いた「ワクチンの7つの疑問」
画像を見る ワクチンデマへの注意を呼びかけた河野大臣(写真:時事通信)

 

■すでにコロナに感染した人のワクチン接種は?

 

【Q5】すでにコロナに感染し、抗体もありますが?

 

「国内外のデータによれば、感染した人が持っている抗体の量は、ワクチンを1回接種した人の抗体と、ほぼ同じくらいのレベルなのです。ですから医学的には、すでに感染した人は、”ワクチンを1回打つ”のが正解となります。さらにもう1回接種しても問題はありませんが、あまり抗体量は増えません」(森内教授)

 

「国内外の研究によれば感染によりできる免疫と、ワクチン接種で獲得される免疫の種類が異なるようです。感染後に接種したという事例も増えているようですが、副反応がひどくなるという報告もありません。さらなる検討は必要ですが、状況に応じて感染者も接種を考慮してよいと思います。2回接種することのデメリットも特にはないでしょう」(田中先生)

 

【Q6】副反応が強いほど抗体は増えているの?

 

「インフルエンザワクチンでもそのように言われることがありますが、残念ながら裏付けとなるデータはありません」(田中先生)

 

【Q7】接種後に熱が…。市販薬は飲んでOK?

 

「注射の痕がひどく痛んだり、高熱が出たりするようでしたら、我慢せずに市販薬を服用してください。抗炎症作用が少ない薬を服用したほうがよいとされています。

 

アセトアミノフェン(カロナールやタイレノール)は、解熱作用や鎮痛作用がありますが、炎症を強く抑える薬ではないので推奨されています。しかし頻繁に使用するのでなければ、アセトアミノフェンではない解熱鎮痛剤でもそれほど心配する必要はないと思います」(森内教授)

 

日本でコロナワクチンの接種がスタートしてまだ半年足らずだが、今回紹介した疑問はその一部にすぎない。

 

「SNSや口コミの情報ですと、どうしても主観が混じりやすく、また“印象の強い”情報が流布しがちです。主治医、それが難しければ接種会場で医療者に相談することをおすすめします」(田中先生)

 

デマに惑わされず、正しい情報を求めていくことが大切なのだ。

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