「なんで野党は批判ばかりなの?」立憲民主党の前議員に聞いてみた
画像を見る 衆院選鹿児島1区から出馬するも当選ならず。比例復活もできなかった

 

■コロナ禍に「桜」をやらなくても…

 

だが、追及するにも、やるべきタイミングがあるのではないか……。

 

《野党って本当に馬鹿なのか? 新型コロナウィルスで大変な時に桜を見る会の安部政権叩きばかり》

 

ネット上で散見されるのが、このような意見だ。

 

「これも悪質な印象操作ですね。国会では同時にさまざまな問題に取り組んでいるわけですが、そればかりをやっているかのように切り取られてニュースが作られるので、そういう誤解になる。でも、実際は常にさまざまな問題に取り組んでいのです」

 

国会にはさまざまな委員会が存在し、同時並行的にさまざまな法案や問題が審議されている。テレビニュースに映るのは、国会のほんの一部でしかないという。じつは「Aをするくらいなら、Bをやれ」というロジックは、コロナ禍以前から見られたものだ。

 

《北朝鮮の脅威が増しているのにモリカケに審議時間を使うのですか?》
《桜を見る会の話で国会議論を止める暇があるなら台風19号において被災された被災者のためにこれからどう復興するかの真剣な議論をしろよ》

 

ときには「北朝鮮」、ときには「台風」「地震」に手をかえて行われるこうした攻撃は、国会の実態を無視した“言論封鎖”だと川内氏は言う。実際、この2年間、国会でコロナ以外にもさまざまな法案や問題が審議されてきたが、常にこうしたロジックで攻撃の対象とされるのは、野党による政府への不正の追及だけだ。

 

■「野党を批判して世の中がよくなることはない」

 

無論、野党時代の自民党も、民主党政権を厳しく“批判”していたし、個々の閣僚が抱える不祥事についても厳しく追及していた。だが、第二次安倍政権以降、《野党は批判ばかり》《国会でスキャンダル追及をするな》《AをやるならBをやれ》というような言説が目立つようになった。川内氏は、これは権力側が作り上げた“プロパガンダ”だと考えている。

 

「“無理が通れば道理が引っ込む”という言葉がありますが、権力が自分たちのやろうとしていることを無理やり押し通そうとするとき、嘘やごまかしや、隠蔽や改ざんをするわけですよね。それらを白日の下にさらされてはいけないので、我々の口を封じるためにいちばんいい言葉はなにかと考えたとき、“野党は批判ばかり”などということを、権力側が思いついたのではないかと。マスコミもそればかりをやっているかのように、切り取ってニュースを作るので、そういう相乗効果で、このプロパガンダが広まっていったのではないでしょうか」

 

確かに、この“プロパガンダ”を自民党の関係者や自民党に近い評論家などは好んで使ってきた。また、デマを交えて、この“プロパガンダ”を拡散していたツイッターの有名アカウントに、自民党関係者が関わっていたことも明らかになっている。

 

川内氏は、「野党は批判ばかり」という言葉に接したとき、本当に野党は批判しかしていないのか、その“批判”は憲法で求められる国会議員の職務ではないのか、立ち止まって考えてほしいという。

 

「ぜひ、ニュースで切り取った一部でなくて、国会の質疑や野党合同ヒアリングを見てみてください。YouTubeでも見られますから、実際にどういうやり取りを行っているか、わかるはずです。それから、野党の悪口を言って世の中がよくなるなら、いくらでも言ってください。だけど野党を批判して世の中がよくなることはありません(笑)。それこそ建設的な批判をしてほしい。あのときに、こういう質問をしたらよかったとか、こういう情報もあるよとか。そういうことを教えていただければ幸いです」

 

1月17日から第208回通常国会が始まる。本当に野党は“批判ばかり”なのか、その“批判”は必要なものでないのか、自分の目で見て判断してほしい。

出典元:

WEB女性自身

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