■課題は山積み…地方のほうが先進的なケースも
そんな資産公開に関して、「地方では政治倫理審査会が政治家の資産をチェックしています。実は地方のほうが先進的なんです」と明かす上脇教授。福岡県築城町(現・築上町)で政治倫理審査会の会長を務めていたという自身の経験を振り返り、こう語る。
「築城町では町議会議員だけでなく、町長などの町三役、さらに彼らの家族も資産公開させていました。また資産公開は毎年、行われていました。変動があってもなくても報告する義務があるので、当然メディアで報道される機会も増えます。
そして審査会が資産をチェックして、『去年の資産からどうしてこれほど増えたんですか』などと質問するんです。現金も対象になっていて、“資産公開は大変重要なこと”という認識が政治家にも審査会にも共有されていました」
上脇教授は「地方にできて、なぜ国ではできないのか」と疑問視。そして、こう提案する。
「国会議員本人だけでなく家族も報告させたり、普通預金も公開したりと今以上に対象を広げる必要があると思います。そして毎年公開させて、チェックする機関を作る。何より、違反があったときの罰則ももうけるべきです。現状では告発もできませんから。
また公開された議員の資産は議員会館にまで行かないと知ることができません。国民が簡単にチェックできるよう、ネットで公開するなどの対策が必要だと感じています」
現状では“議員の資産の状況等を国民の不断の監視と批判の下におく”目的が果たされているとは到底思えないのだが……。
出典元:
関連カテゴリー: