■後を絶たない“裏ポーカー”の摘発
一方で、“裏ポーカー”が横行している現状もある。5月末には都内の違法ポーカー店が2店舗同時に摘発されたケースもあった。
「店内で堂々と現金が賭けられている“裏ポーカー”店の摘発事例は後を絶ちません。“裏ポーカー”の店では、客は現金をチップに変え、店側が手数料を取る形になっています。一般人が経営しているケースもありますが、暴力団の資金源となっている場合がほとんどです」(警視庁関係者)
先月までに、山口県阿武町で給付金4630万円が誤って1人の男性に振り込まれ、返還を渋っていた男性が電子計算機使用詐欺容疑で逮捕される事件が起きた。逮捕された男性は当初、「海外のネットカジノで全額を使った」などと話したことで、オンラインカジノへの注目も集まった。
「オンラインカジノでは、バカラやブラックジャックのほかにポーカーなどがプレーできます。賭博が禁止されている日本からでも、海外のサーバーにアクセスし、銀行振り込みなどでカジノ側に入金してお金を賭けることができます。
もちろん、オンライン上であっても違法行為です。しかし、海外のサーバーを挟んでいることから、警察による摘発が難しく、実際に立件できたケースはさほど多くはありません」(社会部記者)
オンラインカジノについては、岸田文雄首相(64)が6月1日の衆院予算委員会で「違法なものであり、厳正な取り締まりを行う」と発言。今後、警察による取り締まりも強化されそうなものだがーー。
「しかし、ギャンブルが合法となっている海外の国にサーバーが置かれて運営されていると、現地の警察・司法当局と協力できる場合とできない場合があります。日本国内の法改正だけではどうしても限界があるので、摘発を増やすためには依然高いハードルがあるのです」(前出・社会部記者)
前出のポーカー店関係者も、こう続ける。
「実際、“お金を賭けたほうがプレーに熱が入る”と言う人は少なくありませんし、かつて検察の幹部が“賭け麻雀”に興じていて大問題になったことがありました。
親しい間柄でやっているから大丈夫という感覚でお金を賭けてしまうのかもしれませんが、公営ギャンブルを除いて、日本で賭博は違法です。賭博罪は、常習性が認められれば、懲役刑が課せられることもあります。罪の意識が薄い状態で、安易に手を出してしまってはいけません。
違法な“裏ポーカー”が増えれば、お金を賭けずに、法律を守ってプレーしているポーカーファンのイメージも悪くなりかねません。せっかく楽しいゲームなのに、悪い印象を世の中の人に持たれてしまうのは、とても悲しいです」
ポーカー愛好者が増える昨今、潜む“罠”には気をつけたい。