「過労死ライン超え」の学校も…専門家語る“ブラック吹奏楽部”の実態「同調圧力が強い」
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■「体育会系文化部」とも称される吹奏楽部

 

このような過酷な部活動をめぐっては、これまで野球部やサッカー部など主に運動部にフォーカスされることが多かった。しかし、吹奏楽部といった文化部の実態が取り上げられる機会は、ごく限られてきたのではないだろうか?

 

そこで本誌は吹奏楽部にフォーカスし、『ブラック部活動』(東洋館出版社)の著者で名古屋大学大学院教育発達科学研究科の内田良准教授に話を聞いた(以下、カッコ内はすべて内田氏)。

 

吹奏楽部の特徴について、内田氏は「あくまで一般論ですが、吹奏楽というのは非常に人間関係が濃くなりがちな活動なんです」と指摘し、こう読み解く。

 

「みんなでひとつの楽曲を演奏することから、一体感などが求められやすい。しかし一方で、ひとつ間違えるだけでその子のミスが極端に目立つというような集団的特徴もあります。その分、そこで息苦しさを味わう生徒さんも出てくるという構図があります。協調性ないし同調圧力が強い部活動と言えるでしょう。ですので、人間関係でトラブルを抱えることはよくあることですね」

 

練習時間が長くなってしまうのも、運動部にはない事情がある。

 

「運動部は暑い季節になると、長時間の練習は熱中症などにもつながるのでできないんですよね。ところが吹奏楽部はエアコンのついた室内での活動だし、演奏の練習に際しては体を活発に動かすわけではないので長時間の練習ができてしまうんです。とくに大会前になると、合宿などで早朝に起きて、夕食前までずっと練習し、そのあと夕食とお風呂を急いで終えて、また夜も練習する…といったケースも聞きました。ものすごい過酷なトレーニングをする文化が一部であるんですよね」

 

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出典元:

WEB女性自身

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