■弔問に訪れる要人の滞在費はだれが負担する?
「80カ国・地域を訪問し、各国首脳と親交を結んだ安倍元首相。今回の国葬には、各国の要人が多数参列する見通しです。’00年に行われた小渕元首相の内閣・自民党合同葬には、当時のクリントン米大統領など153カ国以上の国・地域から要人377人が参列しました。海外からの参列者は、今回も同規模かそれ以上が見込まれます」(前出・全国紙記者)
気がかりなのは、弔問に訪れる要人の旅費や滞在費だが……。
「小渕元首相の内閣・自民党合同葬に際し、外国から参列する関係者の旅費および滞在費の日本側による負担はなく、安倍元総理の国葬儀についても、同様とする予定です」(外務省大臣官房報道課)
実は、このような弔問の際には、訪れる側が旅費や宿泊費を負担するのが慣習だという。とはいえ、警備態勢は強固なものになることが予想される。
元警視庁公安部の所属で、現在はセキュリティコンサルタントの勝丸円覚氏がこう語る。
「1万人以上の警察官を動員した小渕元首相の葬儀以上の規模になることは間違いありません。150カ国以上の海外要人のエスコートや宿泊ホテルの警備など、24億円かかった昭和天皇の『大喪の礼』に近い態勢になるのでは。
安倍元首相は銃撃されて亡くなったこともあり、日本は各国から警備の強化や改善を求められるでしょう。世論の反対も強いため、通常よりも人員を増やさねばならず、警備費用は35億円ほどに増えてもおかしくありません」
昭和天皇の大喪の礼では警察官3万2千人が動員され、当時の警備費用は24億円だった。また、今上天皇の即位礼正殿の儀では警察官約2万6千人が導入され、警備関係費用としては28億5000万円がかかっている。
会場の飾りつけや設営に1億3600万円、武道館の会場費として1200万円、献花に700万円、警備に35億円となると、少なく見積もっても国葬にかかる費用は総額36億5500万円ということになるのだ。