東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定と公式ライセンス商品の販売をめぐって、大会スポンサーだった紳士服大手「AOKIホールディングス」側から計5100万円の賄賂を受け取った疑いが強まったとして、東京地検特捜部は8月17日、大会組織委員会の高橋治之元理事(78)を受託収賄容疑で逮捕した。
また、AOKI側からは、青木拡憲前会長(83)、青木寶久前副会長(76)、上田雄久専務(40)が贈賄容疑で逮捕された。
「高橋元理事は2017年1月以降に、青木前会長側から、東京五輪のスポンサー契約や公式ライセンスを使った商品の契約に関して“有利に取り図ってほしい”という依頼を受けていたと特捜部は発表しています。
そのうえで、同年10月から今年3月にかけて、高橋元理事が代表を務めるコンサルタント会社を受け皿にして、青木前会長の資産管理会社から計5100万円の賄賂を受け取ったとされています。
また、高橋元理事のコンサルタント会社とAOKI側はコンサルタント契約を結んでおり、毎月100万円前後の“コンサル料”が高橋元理事側に支払われていた事実も明らかにされました」(全国紙司法担当記者)
五輪組織委の理事は「みなし公務員」と規定されており、職務に関して金品などを受け取れば、収賄罪が成立するとされている。だが、東京五輪の開催に向けた準備を進める中で、組織委理事の影響力は小さくない。高橋容疑者は、逮捕前から違法性を否定していたというが……。
「高橋容疑者は逮捕前から特捜部の任意の事情聴取に応じていて、組織委理事の仕事とコンサル契約は別のものとして、“収賄ではない”と、一貫して否定し続けています。しかし結果としてAOKIは、2018年に大会組織委と契約してスポンサーとなり、五輪エンブレムのロゴが入ったスーツなどを販売しています。
こうした公式商品の審査などは、組織委マーケティング局が行っていましたが、ここには高橋容疑者が専務取締役まで務めた古巣の電通から多くの社員が出向しています。こうした関係性からも、特捜部は7月下旬までに高橋容疑者側とAOKIだけではなく、電通に対しても家宅捜索を行いました。
AOKIが組織委に支払ったスポンサー料は7億5千万円とされていますが、AOKI側が先に支払った2億5千万円の一部が、電通の子会社を通じて高橋容疑者のコンサル会社に流れていると特捜部は掴んでいるそうです。今後の捜査で、こうしたカネの流れの全容が明らかになっていくでしょう」(社会部記者)
高橋容疑者らの逮捕に対して、SNS上にも事件の全容解明に向けて期待する声が上がっている。
《本当の悪は誰なのか?》
《疑惑や闇については、根気強く解明されなければならないと思います》
《最後までひどいオリンピックだったな》
《この人も相当問題だけど、検察は徹底的に膿を出してほしい》