9月27日に東京・日本武道館で執り行われる安倍晋三元首相(享年67)の国葬。開催まで1カ月を切っているが、費用をめぐって波紋が広がっている。国葬の費用総額が16億5000万円程度になることが判明したのだ。
全額国費で賄われる国葬は、戦後の首相経験者では’67年に行われた吉田茂元首相(享年89)以来。松野博一官房長官(59)は9月6日の記者会見で、警備費用に8億円程度、海外要人の接遇に6億円程度を見込むと発表。海外要人の出席状況については、「海外から190以上の代表団が参列し、その中で特別の接遇を要する首脳級等の代表団の数が50程度と見込まれる」と説明した。
さかのぼること8月26日、政府は国葬にかかる費用として今年度の予備費から総額2億4940万円を支出すると閣議決定。しかしこの内訳は、会場の設営費などに約2億1000万円、会場やバスの借り上げ料に約3000万円とのことで、警備費は含まれていなかった。
「松野官房長官は総額について9月1日に、『警備規模などが不確定』との理由から国葬後に公表すると説明していました。しかし、野党や国民からの強い反発を受け、政府はわずか5日で急きょ“方向転換”し総額を公表したのです」(全国紙記者)
果たして、安倍元首相の国葬は総額16.5億円で収まるだろうか? ネット上では昨年に開催された東京五輪と重ねて、“後出し”を懸念する声が相次いでいる。
《もっと費用はかかると思います。オリンピックだって最初の予算が足りないと言い始めて結果的にとんでもない額まだ膨れ上がってた》
《何が2億5千万だよ。6倍以上に膨れ上がってるじゃないか。汚職、忖度があった東京オリンピックの時と同じ。事前には少なめに言って事後に実際かかった金額を言う。これも事実の金額かどうか不明だが》
《費用が大幅に増加している。程度という言葉がある以上、それ以上の費用になるのではないか。オリンピックのこともあり費用を公表しても国民は信用できないでしょう》
「安倍元首相の国葬をめぐっては、昭和天皇の大喪の礼や今上天皇の即位礼正殿の儀と比較して“37億円以上かかるのではないか”との指摘もあります。いっぽう経費の予算オーバーについては、昨年開催された東京五輪での“前例”があります。’13年に招致した段階では、見積り額は7340億円。しかし、東京五輪・パラリンピック組織委員会は今年6月、総額経費は1兆4238億円だったと報告したのです。松野官房長官は国葬総額の内訳費用について“程度”と説明していますが、後から加算される可能性も十分にあり得るでしょう」(前出・全国紙記者)
“悪夢の東京五輪”が再来しないことを願うばかりだ。