ロシア本土とウクライナ南部を結ぶクリミア橋の爆発に対する報復として、ウクライナ各地に大規模なミサイル攻撃を続けるロシア。複数のメディアによると、10月10日、11日の2日間でウクライナに向けて発射されたミサイルは100発を超えている可能性があるといい、死者は少なくとも30人にのぼると報じられている。
ロシアの強固な姿勢に震撼が走るなか、日本維新の会の鈴木宗男参院議員(74)が連日更新しているブログが“ロシアを擁護している”として物議を醸している。
7日、ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説で「北方領土を含む日本の主権を尊重することを確認した」と述べ、北方領土を日本領と認める大統領令に署名したことが明らかになった。
これを受けて鈴木氏は、10日に更新したブログで《単純に考えれば日本を支持する立場のように見えるが、有難迷惑な話である》と真っ向から批判。その理由として、《戦後の国際的諸手続き(ヤルタ協定、国連憲章、ポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約等)で、ロシアが現在実行支配しており、二国間で解決すべき問題であり、いわんやロシアを刺激しても何も得るものはない》と持論を展開した。
続けて鈴木氏は、ロンドンサミット(91年)やミュンヘンサミット(92年)で北方領土問題は日本とロシア間の問題だと結論付けられ、その後、G7でも取り上げられなかったとも主張。その上で、こう呼びかけたのだった。
《ウクライナが日本を表向き支持する姿勢を示しているが、国際的には何の影響も与える事は出来ない。この事についても表面だけを見るのではなく、歴史的経緯、事実を踏まえて判断して戴きたい。外交は積み重ねであり、正しい歴史の事実に基づいて努力していくしかないのである。この事を多くの人に理解して戴きたい》
そんな鈴木氏の主張は続き、11日に更新したブログでは“ロシアによる軍事侵攻はウクライナに原因がある”とも取れる意見を述べている。
《ロシアの特別軍事行動もウクライナが昨年10月23日、親ロシア地域へ自爆ドローンを飛ばし、さらに今年2月19日のミュンヘンでのゼレンスキー大統領が演説で、ブタペスト覚書の再協議、裏を返せば核を持たせろと発言したことによりスタートした経緯がある。今回も小さな火遊びが大火事になる様相である。どちらが「善、悪」という価値観ではなく、どうしてこういう事態になったのかを冷静に考えるべきである》
《今になって「北方領土を日本の主権と領土保全を尊重する」というのは無責任な話である。今、ウクライナを支援しているアメリカ、イギリス主導してヤルタ協定、国連憲章、ポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約と、戦勝国で作られた戦後の国際秩序を作ってきた。そのアメリカ、イギリスが中心となりウクライナを支援し、ロシアと対峙している》
《私が「有難迷惑な話」というのは、外交は積み重ねであり、事実を踏まえなければならない。突如、思い付きの話をしても国際的に通用しない。逆に当事国であるロシアが不信感、不快感を持つと北方領土問題はなお、遠くに行ってしまう》