「ここ最近はフィルムの販売制限があって、最寄りの家電量販店では1人あたり最大でも3箱しか買えないので、イベントに備えてほぼ毎日のように通っているんですよ」
こう嘆くのは芸能事務所関係者。FUJIFILMのインスタントカメラ『チェキ』用のフィルムの在庫が枯渇しており、調達に苦しんでいるのだ。
『チェキ』は、正式名称『instax』という’98年11月に富士フイルムから発売されたその場でプリントできるインスタントカメラのこと。カメラの性能などのバージョンアップを重ねながら、発売から24年経つ今でも世界中で愛されている。
発売当初は女子高生の間でブームになった『チェキ』だが、今でも若者たちの間で支持されており、現在ではイベント会場の物販や、アイドルの撮影会などに活用されるケースも多い。
「今年の春頃までは20枚入りの『instax mini』が安いところでは1箱1200円ほどで購入できましたし、個数制限もなかったので20枚入り30箱のケースを3ケースほどまとめて買うのが通例でした。それが夏頃からジワジワと値段も上がり、気がついたら個数制限でイベント当日分の数を揃えるのも困難になったんです。だいたい1イベントで30箱は消えますから、大変なんです。
家電量販店では売り切れや個数制限をしている店舗ばかりで、ECサイトも入荷未定や高額な値段がついています。今は安くても1箱1500円台。転売もされていて酷い業者だと30箱入りの1ケースを8万円以上の値段で販売されています。また正規品ではない偽物まで流通しているほどなんですよ」(前出・芸能事務所関係者)
春には30箱が36000円で購入できていたものが、転売で8万円以上の値段が……。富士フイルムのオフィシャルサイトでも10枚入りが814円(税込)で販売されているが『お一人様7個までのご注文とさせていただきます』と書かれている。20枚入りは1562円(税込)だが、こちらは『お一人様5個まで』の制限付きだ。(11月15日時点)
一体なぜこれほどまでに品薄なのか。発売元の富士フイルムホールディングス株式会社広報グループに問い合わせてみると、こう回答が。
「お取扱店での販売状況についてはコメントする立場にはありませんが、一部のお取扱店で品切れ・品薄の状態になっていることは認識しています。
昨年12月に発売されたハイブリッドインスタントカメラ「INSTAX mini Evo」や、今年7月に発売したスマホの画像をプリントできるスマホプリンター「INSTAX mini Link 2」の販売が好調で、あわせてINSTAXフィルムの販売も伸びています。これらのフィルム需要が、従来の需要に加わり、一部のお取り扱店での一時的な品薄につながっているとみています。
INSTAXフィルムの生産・出荷を継続していますし、世界的なINSTAXフィルムの需要増に対応するため、当社神奈川事業場内にあるINSTAXフィルムの生産ラインを増設し、今月(11月)より順次稼働させる予定です。これにより、生産能力は、現在比最大2割向上する予定です。
フィルムを必要とするお客様に行き渡るように、引き続き、INSTAXフィルムの供給安定化に取り組んでいきます」
チェキ人気は不滅のようだ。