■「ある意味、皆が被害者。この状況を終わらせる必要がある」
さらに《悪しき前例を作るんじゃありませんよ!》《子育てに向かない地だと公表したようなもの》と市の対応にも批判が集まるなか、長野市議会議員の小泉一真氏(56)は次のように問題提起した。
《遊園地を潰せば解決するでしょうか? 遊園地に隣接して児童センター、保育園があり、はす向かいに小学校。実際、これらの施設もウルサいとクレームを入れてます。遊園地廃止は苦渋ではなく、安易な選択です。クレーマーに成功体験を与え、エスカレートさせることには慎重になるべきかと存じます》
さらに小泉氏は、情報公開請求によって入手したという今年8月25日付けの「青木島遊園地の廃止について」と題する市長説明資料も公開。「廃止に至る経緯」の項目には、苦情を申し入れた側の“事情”も綴られている。
その一部を抜粋する。
《児童センター、遊園地の建設に関し、●●(編集部注:苦情を申し入れた住民)に対し説明がなかった》
《●●へのボールの飛び込み、植栽の踏み荒らし等が重なり、利用者への不信感を募らせるようになった》
《児童館の40人~50人の児童が一斉に、指導者の拡声器の号令の下に遊ぶ(開設当初)》
この「廃止に至る経緯」には《1日100台の車がお迎えに来る》とも記されており、苦情を申し入れた住民はこうした状況に18年間悩まされてきたという。
いっぽう「利用者の声」の項目には、《子供を遊ばせることで、●●からの叱責や注意が子供に与える影響を考えると、今の状況では児童センターの児童は遊園地を利用できない》とも記されている。そして「廃止の考え方」の項目には、《ある意味、皆が被害者。この状況を終わらせる必要がある》との一文があった。
この資料を読んだユーザーからは、《公園廃止の説明文読んだら印象違うんだが》《これ自分の家だったら耐えられるか自信ない…》《「クレーマーを追い出せ」みたいなこと言ってる人は、落ち着いて、思いとどまってほしい》との声も上がっている。
住民と子供たちのどちらかが泣き寝入りしないよう、互いに歩み寄れる解決方法が見つかることを願うばかりだ。