(写真:時事通信/提供:NHK党) 画像を見る

「(ガーシーへの)懲罰処分するなら、やるならやってみろよ、と。やり返してやるだけだと」

 

12月9日、定例会見でこう語ったのはNHK党の立花孝志党首(55)だ。7月の参議院選挙で当選して以来、一度も国会に登院せず、アラブ首長国連邦に滞在しているNHK党の参議院議員のガーシーこと東谷義和氏(51)。

 

今国会でも、旧統一教会の被害者救済法案や物価高対策などが話し合われるなか、カタールでW杯日本代表の試合を観戦したり、解説に来ていた本田圭佑と会食したりと、一向に国会に出席しようとしなかった。

 

こうした状況を受け、12月8日、参議院議院運営委員会の理事会は、欠席の理由や今後の対応について本人に文書で質問することを決定。海外渡航届の帰国日などが具体的に記入できない場合、理由の記入を義務づけることも決めた。

 

さらに、立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長は「議長の招集状が出されても出席しないなら、懲罰委員会の検討などを含めた段階に進んでいくだろう」と、ガーシー氏に対する懲罰の可能性について言及。冒頭の立花党首の発言はこれに反発してのものだ。

 

■“国会議員をクビ”になったのは戦後2人だけ

 

国会法では「議員が正当な理由がなくて召集日から七日以内に召集に応じない」場合、議長が特別な招状(招集状)を発し、それを受け取つてから七日以内になお理由なく出席しなければ、議長がその議員を懲罰委員会に付することができると定められている。

 

当選後、ガーシー氏は海外渡航届を提出したが、帰国予定日がないことなどから、国会で認められなかった。確かに、議長が招状を発し、ガーシー氏が国会に出席しなければ懲罰委員会にかけることができそうだが……。

 

「本人にとって痛手となるような懲罰を下すのは困難だ」と指摘するのは、大手紙の政治部記者だ。

 

「国会法で懲罰は『公開議場における戒告』『公開議場における陳謝』『一定期間の登院停止』『除名』の4つが定められています。戒告や陳謝などに決定したところで、ドバイにいるガーシー氏にはダメージはないでしょうし、そもそも登院していない人間を登院停止にしたところで意味はない。残るは国会議員を“クビ”にする除名ですが、そのためには国会で出席議員の3分の2以上の賛成が必要と、非常にハードルが高くなっています」

 

戦後の国会で「除名」になったのは2名だけ。しかも、いずれも70年以上前のGHQ統治下の話だ。ガーシー氏は戦後3例目の“除名”になる可能性はあるのか。

 

「与党自民党としては、今後の国会運営を考えると、NHK党と対立したくはないでしょう。これまで様々な暴露を繰り返してきたガーシー氏を刺激したくもないでしょうから、このまま招状を出さずにうやむやにするか、懲罰委員会にかけたところで『戒告』などでお茶を濁すのではないでしょうか」(前出・政治部記者)

 

直近で懲罰が下った例は、参議院議員だった故・アントニオ猪木さんが、国会開会中に無断で北朝鮮を訪問したとして「30日間の登院停止」を受けた2013年11月にまでさかのぼる。国会議員にとって非常に不名誉な懲罰だが、きわめてハードルが高い「除名」以外であれば、ガーシー氏は“ノーダメージ”に終わる可能性が高いようだ。

 

12月9日、インスタグラムで参議院議院運営委員会の理事らの写真とともに、ガーシー氏はこうコメントしている。

 

《お前らが決めたわけや、出席簿の提出 ふーん で、帰ってくる日きめて、何したいねん? 1人づつ電話したろか?それで説得してくれやw もちろんライブ配信しながらなw 投票してくれた人たちにも聞く権利あるやろ? コソコソ裏で手回しして、セコいことせんと、正々堂々話しよーや お互い国民に選ばれとんねんからな?》

 

強気になれるのは理由があるのかも――。

出典元:

WEB女性自身

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