《どうせいつものガス抜きの茶番でしょ》
《辞表早く!! 言ってるだけならガス抜き認定》
《ただのガス抜きの人気取りでしょ》
ツイッター上ではこんな指摘が続々と……。
12月10日から11日にかけて、自由民主党の高市早苗経済安全保障担当大臣が立て続けに、岸田文雄首相が掲げた“防衛増税”を批判するツイートをしたのだ。
《普段は出席の声がかかる一昨日の政府与党連絡会議には、私も西村経済産業大臣も呼ばれませんでした。<中略>その席で、総理から突然の増税発言。反論の場も無いのかと、驚きました。》
《賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングで発信された総理の真意が理解出来ません》
当然、“閣内不一致”ではないかという指摘が出たが、松野博一官房長官は12日の記者会見で「(岸田首相の考えは)閣内でも共有されている」と火消しに走った。しかし、高市氏は直後の囲み取材で、「歳出部分に関してはうかがっていない」「アポイントメントを何度も入れているが(岸田首相に)会えていない」と、即座に否定したのだ。
一見すると、岸田首相に反旗を翻したように見える高市氏。このまま“ガチンコ”の戦いへと突入するのかと思いきや、ツイッター上では冒頭のような冷ややかな見方も多い。政治部記者はこう指摘する。
「国民の反対が多い法案や政策について、所属議員に反対意見を言うだけ言わせて、結局、大きな混乱なく成立するというのは自民党のお家芸みたいなもの。“移民法”といわれ保守層から不人気だった2018年の入管法改正のときも、複数の自民党議員が反対や慎重意見を表明していましたが、いざ採決となると1人の造反も出ずに成立しました。消費税増税に関しても、反対意見を述べる自民党議員はたくさんいましたが、滞りなく増税されてきた。増税直前の2019年の参院選挙で、消費税増税反対を掲げて戦った自民党議員もいましたが、今も党内の要職についていますよ」
結局のところ、高市氏の発言も“ガス抜き”に過ぎないという見方もうなずけるが……。
「閣僚の発言は重いですから、場合によっては更迭されてもおかしくはない。そして入閣後に、『(入閣は)つらい気持ちで一杯』と明言したように、高市氏は当初から岸田首相と距離をとろうとする姿勢は明確でした。ポスト岸田に向けて、支持率が低迷する岸田政権とともに沈みたくはないという気持ちの表れではないでしょうか」(同前・政治部記者)
はたして“ガチンコ”か“ガス抜き”か……。「防衛増税」の内容が具体的に決まるときの高市氏の対応で、答えあわせができそうだ。