頭を悩ませる人も多い確定申告の受付開始が迫るなか、ネット上では国税庁が投稿した、“ある動画”が注目を集めている。
それは、1月31日に国税庁の公式YouTubeチャンネルにアップされた「【ゲーム実況】Kakushin Simulator β版【関東信越国税局】」。なんと国税庁が、ゲーム実況動画を配信していたのだ。
動画は6分19秒ほどの長さで、「カンシンgames」と名乗る若い男性が、激安で購入したというゲーム「Kakushin Simulator(カクシン シミュレーター)」のプレイを実況するという内容。ゲームタイトル「Kakushin」が確定申告の略になっているように、確定申告に必要な書類や手続きについてが、分かりやすくゲーム設定に落とし込まれたものになっていた。
当然、このゲーム自体は架空のもので、「カンシンgames」というゲーム実況者も実際には存在しない。ところが、ゲーム画面や実況者の語り口調、途中カットの入る編集など、ゲーム実況としてクオリティの高い動画に、ネット上では驚きと称賛の声が相次いだ。
《実況動画の再現クオリティ高えwww》
《これは面白い!!!》
《スマホ確定申告の広報になってるしちゃんと実況テロップ出るしSteamで買った激安ク○ゲーぽいのが素晴らしい》
中には、《国税庁も随分と柔らかくなりましたなぁwww》と、過去の堅い内容の動画と比較してその方針転換ぶりを指摘する声も。確かに同チャンネルの過去の動画を見てみると、講習会などで見られるような解説動画が多い印象だ。
一体どうして、ゲーム実況形式の動画を制作したのか。関東信越国税局に話を聞いた。
まず、今回の動画を制作した経緯について、広報担当者は「堅苦しい動画ですと、なかなか見ていただけない」とこれまでの課題をあげた上で、「主にミレニアル・Z世代という若い世代に興味を持っていただけるような形で広報していきたいという趣旨で、こういった動画をつくりました」と返答。
そしてゲーム実況形式にした“狙い”についてはこう語った。
「若い世代は動画を多く見られている方が多いと思いますので、『ゲーム実況』というジャンルの中で、こういう作りのものが多いよね、いわゆる『こういうのあるある』というところがあれば、すんなり(動画を)見ていただけるのではないか、というところを考えてつくっております」
収録から編集まで、全て関東信越国税局内で制作されており、動画内で話している架空のゲーム実況者も局員だという。ネット上ではすでに、続編や今後の動画を期待する声も上がっているが、直接的な反響はまだ届いていないようで「(今後の企画について)現時点では特に何も決まってはおりません」とした。しかし、反響などを考慮した上で、これからの投稿については検討するとも語っていた。
2月16日から開始される確定申告。動画を見れば、もしかしたらゲーム感覚でできちゃうかも?