増税不安広がるなか…自民党・西田昌司議員が指摘する「岸田首相の説明不足」
画像を見る 党内からの声に、首相の“聞く力”は発揮されるのか――

 

国会では防衛増税の問題に加え、岸田内閣の最重要課題の1つである、少子化対策の財源についても、与野党間で激しいバトルが繰り広げられている。その伏線は1カ月前。岸田首相が年頭会見で“異次元の少子化対策に挑戦”と述べた翌日、テレビ出演した自民党の重鎮・甘利明前幹事長の次のような発言が大きな波紋を呼んだのだ。

 

「子育ては全国民に関わり、幅広く支えていく体制を取らなければならず、将来の消費税も含めて少し地に足をつけた議論をしなければならない」

 

消費税率の引き上げも検討対象であるとの認識を明らかにしたのだ。この“消費税増税”をにおわせることもミスリードであると西田議員は指摘する。

 

「今年や来年に個人の税負担が増えるようなことはありません。自民党内でも、そういう議論はまったくしておりません。少子化対策も、防衛予算の追加も、国債を発行すればいいのです。税金だけで予算を組むということは、政府は通貨供給をいっさいしていないことになります。いっぽう、国債を財源として予算を組むことによって、国債発行に際して民間に通貨が供給されることにつながるのです」

 

しかし、国債発行は将来的な財政破綻につながるのでは、という声もある。

 

「国は中央銀行(日銀)を通して通貨を発行できるため、国債の発行をしすぎて財政破綻することはありません。国債発行が国民の借金であるというイメージを植え付けているのは財務省にほかならない。それをうのみにしている政治家や経済学者は、勉強不足だと言わざるをえません」

 

国債発行のほかに、西田議員がテコ入れすべきと強く主張するのが、防衛費増加分の財源でもある法人税だ。

 

「法人税に関しては大企業を中心に、この5年間で100兆円を超える内部留保が積み上がっており、全体で500兆円を超えている状況。私は、企業が内部留保をためずに、お金を積極的に循環させるような税の仕組みを考えるべきだとずっと提言してきました。法人税の引き上げにより、企業が内部留保をためるよりも、従業員の賃金アップや新たな設備投資に積極的になる環境を作ることが大切。それが経済を回し、民間・個人にお金が循環していくことにつながると考えます」

 

西田議員は、このことを今後も自民党内に強く訴えかけていく意向だという。

 

「岸田首相には、国民を置き去りにすることなく、強いリーダーシップを取っていただきたい」

 

党内からの声に、首相の“聞く力”は発揮されるのか――。

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