子供たちが遊ぶために公園に設置された遊具。しかし、摩擦などによる劣化や破損によって、ケガのおそれを訴える声に注目が集まっている。
発端は、とあるTwitterユーザーによる投稿。動物の形をしたスプリング遊具の座面コーティングが剥がれ、ガラス繊維が露出している遊具を発見したという。このユーザーはすぐに自治体に報告したといい、身体にガラス繊維が刺さってしまうと簡単には抜けないとして注意喚起している。
このユーザーの投稿に《知らなかった!》《これは危なすぎる…》との声が上がる一方で、実際にケガをした経験を共有する声も相次いでいる。
《たぶん昔これが原因で太ももズタズタになった。それ以来、怪我をした公園とその遊具が苦手になった。正直今も怖い》
《これ本当痛い、一瞬で全身にシビビビ!と鳥肌みたいにはしる痛みの思い出が》
《これめっっっっちゃ痛いよ!!!!!刺さったらガムテで剥がして!!!めっっっちゃ痛い!》
また、投稿者と同じように自治体への報告や、安全チェックを心がけようとする声も上がっている。
《危ないから知らない公園行ったらまずは遊具の安全チェックだね》
《ガラス繊維はマジでやべーから見かけたら連絡!》
《公園なら土木課か公園課か自治体によるけど、行動の速さも自治体によるけど、すぐ連絡よ》
しかし、こうした利用者による注意喚起は後を絶たない。
「従来の遊具は、摩滅に弱い FRP 樹脂を使ったものが多いのです。これはガラス繊維とポリエステル樹脂が混ざった繊維強化プラスチックで、強度は金属並みだといいます。昨夏にも、劣化した滑り台で子供がケガをしたというツイートが注目されました。お尻や太ももに破片が刺さり、水で流しても取れなかったそうです。
こうした事故を防ぐためにも、道路や公園の損傷・不具合を報告できるアプリを導入している自治体もあります。ですが、遊具の更新には高額な費用がかかることもあり、予算や人員不足ですぐに作業に取り掛かることができない自治体も。そうした背景もあり、市民の間では通報しても“すぐに動いてもらえなかった”と訴える声も上がっています」(社会部記者)
国土交通省では1998年から3年ごとに、都市公園における遊具の老朽状況を調査している。昨年6月に発表された2019年時点での調査結果では、設置後20年以上経過している遊具は194116基あり、全体の49.7%にも及んだ。また、公園管理者が点検を実施し、修理・撤去といった措置が必要になったものは72672基にものぼったという。
少しでもケガの危険性が減るよう、安全対策が進むことを願うばかりだ。