“増税メガネ”と揶揄されている岸田首相。支持率が低迷するいまこそ、経団連と財務省に操られて暴走増税の危険が高まっているというーー。
■財務省の本音は消費税19%
「若い世代が安心して子どもを持つには、全世代型の社会保障改革しかない。それには消費税などの増税から逃げてはいけない」
9月19日、記者会見でそう述べたのは、日本経済団体連合会(経団連)の十倉雅和会長だ。国民に幅広い税負担を求める一方で、経団連が発表した2024年度税制改正に関する提言では、企業が稼ぎ出した利益にかかる法人税は「“減税”して投資を促進すべき」と求めている。
「経団連は、自分たちが儲けることしか考えていないので、もう何十年も一貫して〈法人税を下げる代わりに消費税を上げろ〉と要望しています。しかし、このタイミングであえて言及するのには、ワケがあるんです」
そう指摘するのは、政治ジャーナリストの鮫島浩さん。その“ワケ”を次のように説明する。
「9月の内閣改造で支持率が上がれば、岸田首相は10月に解散総選挙に踏み切るのでは、と噂されていました。経団連は自民党を支援していますから、さすがに選挙前に支持率を下げるような消費税増税は言いにくい。しかし、改造後も支持率は上がるどころか下落。もう解散総選挙はない、と踏んで消費税増税に言及し始めたのでしょう」
消費税は何パーセントに増税されるおそれがあるのだろうかーー。
「財務省は消費税19%をもくろんでいる」と明かすのは、元国税調査官で、『消費税という巨大権益』(ビジネス社)などの著書もあるフリーライターの大村大次郎さんだ。
「国際機関のOECD(経済協力開発機構)は2018年に、〈日本の消費税率は将来的にOECD加盟国平均の19%まで引き上げる必要がある〉と提言し、これを新聞が報じました。本来、OECDは日本の消費税に関心はありませんから、財務省が働きかけて提言させたのは明白です。日本はOECDに多額の拠出金を出しているので、財務省はOECDに影響力を持っているのです」(大村さん)