■佐竹知事の毅然とした発言に、職員たちは「心強かった」
本誌が秋田県庁・総務部広報広聴課にクマの駆除に対する抗議状況について聞くと、「美郷町でクマを駆除した報道があった時には、ほぼ朝から晩まで電話が鳴り止まない状態で対応いたしました」とのこと。
担当者は抗議電話の内容について「動物愛護の気持ちをお持ちの方がほとんどで、『なぜ殺したんだ』というようなご意見が大部分でした」と明かし、「ほとんどが名前を名乗りませんし、総合案内から私どもの方に電話が転送されてくるので相手の電話番号もわかりません。ほとんどがそういったケースでした」と語った。
職員も電話の対応に追われ、「通常の業務ができない状況が続きました」という。
いっぽうで佐竹知事は“乱暴な電話はガチャっと切るべき”と会見で言及したが、担当者は「通常の問い合わせでもこちらから電話を切るといったことはしませんので、まずは意見を聞くという体制で臨んでおりました」と語った。最近では抗議の電話も少なくなってきたこともあり、「今後も一方的に切るといった対応をするつもりはございません」と謙虚な姿勢を示していた。
ただ、佐竹知事の毅然としたコメントは職員たちにとって「心強かった」という。
また抗議の電話が殺到しているとニュースで報じられた直後には、励ましの声もあったという。担当者は「逆に『頑張ってください』や『気にしなくて大丈夫ですよ』といった電話も頂いて、心強かったですし、嬉しかったです。みんな必死に対応していましたが、そうした励ましの声もあって乗り切ることができたと思っています」と、振り返っていた。
秋田県では24日にも新たに4名がクマに襲われ、被害状況は過去最多に。日常生活が脅かされている地元住民のためにも、駆除はやむを得ない判断であると理解すべきだろう。