1月2日、羽田空港の滑走路で発生した日本航空機(JAL)と海上保安庁機の衝突事故。日航機は激しい炎に包まれたものの、幼児8名を含む乗客367名、乗務員12名の全員が退避し無事だった。しかし海上保安庁機は、搭乗していた職員6名中5名が死亡。機長1名は脱出したが、重傷を負った。
元日に能登半島を襲った地震に次ぐ凄惨な事故に、日本中が悲しみに包まれている。さらに海上保安庁機は被災地に物資を搬送するため、新潟の航空基地へ向かう途中だったという。
いっぽう航空機の事故をめぐって、ネットを中心に議論が巻き起こっているのは“ペット問題”だ。
「SmartFLASH」が3日に公開した記事によれば、JALの広報部は衝突した日航機にはペットの預かりが2件あったと明かしている。その上で「残念ながら救出ができませんでした。お悔やみを申し上げます」と、ペットが助からなかったことに対する謝罪の言葉を述べていた。
「日本の航空会社では犬や猫などのペットは『受託手荷物』扱いとなり、専用クレートに入れて預ける決まりになっています。JALでは盲導犬や介助犬を除いて、預けられたペットは室温・湿度が客室とほぼ同様の貨物室で輸送されます。
昨年3月下旬には、航空会社『スターフライヤー』が機内にペットを同伴できるサービスを開始。今年1月中旬からは、国内線全路線・全便に拡大されます。とはいえ緊急時に脱出する際は、ペットを機内に置いていかなければならないと定められています。
どの航空会社も緊急時は人命が優先のため、脱出の際はペットまで行き届かないのが実情でしょう。衝突事故のあった日航機では、乗客は手荷物を全て機内に置いて脱出したといいます」(旅行代理店関係者)
「SmartFLASH」の記事が掲載されたYahoo!のコメント欄には、すでに7500件以上ものコメントが書き込まれている。“ペットは家族の一員”との考えから、緊急時にペットと避難できるよう客室に同伴させるべきだと考える人も少なくない。
《是非ペットの同伴搭乗を検討してほしい。海外は既に可能》
《ペットの乗車料金もきちんと払って、ペット同伴の席が今後広がってくれると良いですね。。。》
《飛行機だけ、ペット同伴出来ないのが、わからん…電車バスはOKなのに…命の尊さを考えて欲しいな…同じ命だよペットだって それか緊急時にすぐ持ち出せる場所にペットちゃんは乗せてあげて欲しい》
またオンライン署名サイト「change.org」では、今回の事故を受けて、「飛行機のペット貨物室積み込みを禁止しましょう」というタイトルで署名が1月2日より始まっている。署名の概要欄では、《この問題への解決策として、航空会社へ直接働きかけて飛行機内での安全なペット輸送方法を見直すよう要求します。また政府に対しても同じく法律改正を求めます》と書かれており、4日15時時点で1万6000人以上の署名を集めている。
客室への“ペット同伴”を訴える声は、著名人からも。乃木坂46の元メンバー堀未央奈(27)はXを更新し、「SmartFLASH」の記事を引用した上でこう訴えた。
《やはり…。どうか、動物たちも手荷物扱いではなくシートで一緒に移動できる動物同伴専門飛行機ができますように。この事件を機に、様々な航空会社の皆様、ご検討よろしくお願いします》
だがそのいっぽうで、動物が苦手な人やアレルギーを持つ人もいることから反対の声も上がっている。
《猫アレルギーで喘息が起きるのと、責任が持てないので猫は好きですが飼っていません そのような方は一定数おられると思います 自分でも飼いたいぐらいなので、オーナーさんの気持ちも分かりますが 長時間フライトでは命に関わるので、なにとぞ「客室は人間限定」の便を今後も残してほしいと思います》
《ペットも同伴搭乗できるようにするべきとの声もあるようですが、自分の妻と母は、犬や猫の鳴き声を聞くだけで全身が震えて怯えてしまうほど、動物恐怖症です。そういう人間もいると知っている以上、ペットの同伴搭乗など絶対反対です》
《人と動物は違う。飼い主のそばにいたらおとなしいとは限らない。周りに違う動物がいたりしたら飼い主でも大人しくさせるのは無理でしょう。ペットは犬猫だけじゃない》
なおフリーアナウンサーの笠井信輔(60)の元には、日航機の衝突事故でペットを失った当事者からコメントが寄せられたという。笠井が自らのInstagramで紹介したメッセージは、次のとおり。
《わたしは、あの旅客機に乗っていました。あの事故で貨物室に乗っていた愛猫を失いました。あの炎の中で何度も叫びました。暗い貨物室で怖かったよね、苦しかったよね。ひとりで逝かせてごめんね。まだ実感が湧かず、涙が止まりません。こんな形で笠井さんにコメントしてすみません。私のような思いをもう誰もしませんようにと祈るばかりです》
その上で笠井は、《脱出時の乗客の安全など、様々な課題がある事はわかっておりますが 何かそれを乗り越える方法があるのではないかなと、「無理に決まっている」と、決めつけるのではなく 今の新しい技術やアイディアで検討していただけたら》と提案している。