■ネットで相次ぐ「人手が足りない」の指摘に担当者語った“真意”
では自衛隊や警察以外に、被災地で支援活動できるのはどのような団体だろうか?
「NPOのなかには過去にも災害支援に携わった実績があり、プロ級のノウハウを持っている団体があります。そうした専門団体が発災直後に県外から被災地に多く入っていますが、“県が許可する”というよりも自衛隊と同じような扱いで入って頂いております」(担当者)
つまり県は、支援活動する専門団体に「許可を出す」といった立場にはないという。
「こちらは災害支援の指揮官にあるわけではないので、指示を出したり、許可を出したりする関係性にはありません。NPOの支援方法も多岐にわたっており、炊き出しをする団体もあれば、物資運搬や避難所で子供たちのケアをする団体など様々です。ただ、こちらも力を借りる場合がありますので、どのような団体で、どういった支援ができるのかということはきちんと把握しております」(担当者)
また一部ネットやSNSで見られる「被災地での人手が足りない」との指摘には、次のような見解を語ってくれた。
「『人手が足りていない』という声は、こちらでも把握しております。ですが、だからと言って“一般ボランティアに来てもらいたい”というわけではございません。
現地では災害ボランティア本部が、組織としてあるところとないところがあります。行政の担当者自身も被災している状況なので、受け入れ準備がなかなかできていません。“組織としてボランティアを受け入れる体制を整えたいけれど、それを行う職員が被災して稼働できない”など、そういう意味合いでの『人手が足りない』なのです。
例えば、物資は現地の拠点に届いているものの、それを避難所に運搬する人手が足りていません。しかし人手が必要だとしても、運搬作業を一般の方に任せるのは危険です。道路状況も悪く、土地勘もなければ二次災害を招きかねません。“人手が足りないならボランティアを集めればいい”と思う方もいるかもしれませんが、そう簡単にはいかないのです」(担当者)
ボランティア参加の意欲があったとしても、いまは時が来るのをじっと待つことが賢明だ。