パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘。イスラエル軍は2月8日ごろからガザの最南端にあり、エジプトと国境を接するラファへの攻撃を強化している。
イスラエル軍は開戦当初から、ガザの住民に対し南部への避難を求めてきた。そのため、ラファにはガザの他の地域から避難してきた住民が集まっている。その数は人口約230万人の半分以上を占める140万人にのぼるという。ラファ地区の面積は33.2平方キロメートルで、東京23区でいうと板橋区(32.22平方キロメートル、人口57万人)や杉並区(34.06 平方キロメートル、人口57万人)同程度の空間に約3倍の人が押し込められていることになる。
14日のCNNの報道によるとイスラエル軍は、いまだ政府にラファからの住民の避難計画を政府に提出していない。しかしすでに行われた激しい空爆により、多くの民間人が犠牲となっている。ガザ地区の保健当局は、2月13日までの死者は2万8473人にのぼると発表した。
ラファへの地上侵攻も行う方針であるとしているイスラエルに対し、国際社会では非難の声が高まっている。13日には中国の外務省がラファ空爆を非難し、軍事作戦の中止を求める談話を新たに発表した。
国連のマーティン・グリフィス事務次長も同日、《ガザの人口の半分以上(100万人を優に超える人)がラファに詰め込まれ、死を目の前にしている。食べるものもほとんどなく、医療ケアもほとんど受けられず、寝る場所も安全に行く場所もない》《彼らは、ガザの全住民と同様に、その激しさと残忍さとその範囲において類をみない襲撃の犠牲者です》とその惨状を訴え、《ラファでの軍事作戦はガザでの虐殺につながる可能性がある》とイスラエル軍の攻撃を”虐殺”という言葉を用いて強く非難している。