空港のすぐそばというアクセスもあって多くの人に親しまれている天然温泉施設「泉天空の湯 羽田空港」。しかし、ある利用客が投稿した“体験談”に波紋が広がっている。
その投稿によると、施設を利用した後に体全体にかゆみと湿疹の症状が出たと告白。一緒に利用していた子供の被害は特に深刻とし、冷水でしかシャワーを浴びれない状況だと訴えている。また偶然その施設で出会った知人も、皮膚の一部が剥けたりする症状が出たといい、施設に行ってない投稿者の家族からは“体から塩素の匂いがする”と言われたことも明かしていた。
3月13日にXに上記内容が投稿されると、たちまち拡散され「怖すぎる」「これが事実なら」「事実ならヤバい」と驚きの声が広がっていた。また、Xでは真偽は不明だが、同施設を利用し同様の被害にあったことを訴えているユーザーもいた。
そこで、「泉天空の湯 羽田空港」の担当者に話を聞いた。
まず担当者は現状、複数の客から問い合わせが寄せられていることを明かした上で、「保健所の確認、設備のチェックと、我々も確認できるところを、全て確認するということをまず今進めております」と回答。
SNS上では殺菌に使用する塩素の濃度が適切ではなかったのではという指摘があがっていたが、現在は、保健所の資料に基づいて毎時間チェックし、保健所の基準通り行い、検査も受けるという条件下で通常営業を行っているようだ。
今回の被害が報告された日の営業中にも特に異変はなかったようで、「当然機械で動いてますし、人的なチェックも毎時間ごとにやっているので、 基本的に異常値があれば気付ける状態」だったという。その上で、チェックエラーが起きていた可能性もあるため、「それが本当に正しくできていたのかというところも疑って調査しようということで今動いております」とした。
当該施設で使用しているのは「通常の設備と同じ(塩素による)濾過装置」で、「基本的には塩素濃度が下がってしまうと殺菌効果がなくなるので、我々もこれ以下(の濃度)には絶対しないでほしいという話を受けている」ということから、塩素濃度を自動で一定に保つようなシステムになっているという。
また、濾過装置の故障以外に今回の被害の要因として「当施設の温泉はナトリウム塩化物強温泉という塩分強めの泉質ではある」とした上で「肌が弱い人は基本的に避けるようにしてもらっている」と利用客への周知も行っているという。
ただ、過去には同様の被害報告は一切なかったといい、「(今報告されているなかで)一番古いものが2月12日ぐらいだと思うんですけど、それ以前は一切ございません。一年以上の間で全くなかった」と話している。
羽田空港という多くの人がアクセスするエリアの施設だけに、一刻も早い原因究明が待たれる。