■事実確認のために本誌が何度も連絡したものの…
そんななか、当の長谷川議員も反応を見せた。21日正午すぎにブログを更新し、《本日は航空政策および飛行機の遅延についての考え方を述べたいと思います》と切り出すと、《私は、航空会社の対応について、機内で発言をする際、三つの原則に従います。一つ目は「正確な情報を伝えているか」、二つ目は「不都合な情報をしっかりと開示しているか」、三つ目は、「正しい見立てを立てた情報発信となっているか」の三点です》と説明した。
機内での発言について自身のエピソードを交えながら持論を展開した長谷川議員。たとえば、飛行機の出発が大幅に遅れたことに対し発言した時には次のような状況があったとした。
《あるとき搭乗した飛行機の出発が大幅に遅れていました。出発時間をとうに過ぎてから「管制の指示によって出発許可を待っているため遅れが生じている」との機内アナウンスが入りましたが、外を見て驚きました。まだ航空会社は機内への貨物の搬入作業の途中であり、相当な貨物が残っている状況でした。遅延の原因は管制の指示ではなく、また、出発許可以前の話であり、航空事業者の準備が遅れているために、出発が遅れている状況が一目瞭然でした。これを航空当局の責任にすりかえ、そしてそれを情報として流すことは許されるものではありません。そのことについてその場で発言をさせていただきました》
また、あるとき大幅な出発遅延が生じた際には、《機内で出発を待っているときにアナウンスがかかり、「出発準備に時間が生じている」とのことでありましたが実態は違いました。搭乗手続きのミスで、搭乗券と機内の搭乗者数に大幅な差異が生まれ、その確認業務に多くの時間を要しておりました》と、アナウンスと実情が異なっていたと回想。《すべてを開示できないまでも、搭乗名簿と搭乗者数が異なった状況であり、本来ならばその確認に時間がかかっていることが航空会社の開示するべき情報であり、その場で発言をさせていただきました》と、その際に発言をした意図を明かした。
また、出発が大幅に遅れた際にアナウンスが入ったというが、アナウンスで説明された遅延時間が実態と違ったこともあったという。
《「10分ほど遅延をする」とのことで、乗客の方お一人が、突如飛行機を降りることとなったことが原因でありました。しかし、その方の荷物を貨物室から取り出し、そしてさらには離陸許可を得るには50分以上の時間がかかるはずです。実際は60分近くの遅延となりました。本来、地上業務と客室と貨物室とが十分な連絡をとっていれば、1時間近く遅延が見込まれる時間を乗客に伝えることができたはずであります。正しい見立てを伝えて頂ければ、携帯電話が使用できる段階で乗客の皆さんも到着後の予定変更など対応出来たのではないかと思います。その場で発言をさせていただきました》
そして、《私自身も、航空行政に関わる以上、民間の事業者の皆さんの努力にあわせて、空港側、行政側の努力も最大限求めて行くことに変わりはありません》などと綴った。
いっぽう《昨年秋にお会いした記憶に残る客室乗務員の方のご対応について、申し上げます》とした上で、着陸寸前の飛行機が暴風雨に見舞われた際、客室乗務員のチーフが「揺れはありますが機内に影響はないのでご安心ください」とアナウンスしたことや、そのチーフが操縦室と連絡をとって飛行状況と着陸に関する見立てを乗客に伝えるよう指示したというエピソードを紹介。そして《まさに客室乗務員の方が乗客の安全の責任者となり、安心と安全を確保して頂いた瞬間でありました》と振り返った。
《今後も原則に基づいて航空行政について発言して参りたいと考えます》と結んだ長谷川議員。2400字にわたって説明したが、吉やCAが横柄な態度を告発したことについて一度も触れることはなかった。
本誌は21日、長谷川議員の事務所に何度か電話で問い合わせを試みたが、応答はなかった。