泉房穂「政治家に向いていない」7歳年下妻が語る明石市長当選から暴言辞任まで
画像を見る 「腹が立ったときはいつもあんパン食うねん。オカンは、私が腹の中にいたとき毎日食べていたって」と笑顔を見せる(撮影:加治屋誠)

 

「最近の泉は、愚痴を言ったり、イライラしたりすることが格段に減りました。自己肯定感がすごく強い人で、独りよがりな面もあるから市長時代は議会や職員に対して『なんでわからないのかな』とブツブツ言っていました。

 

その一方で、今は『忙しい、忙しい』のオンパレード。東京と往復する仕事も増えたし、どんな仕事でもしっかり準備するタイプなのでそのしんどさや緊張感もあるみたいですが、楽しくやっているようです」

 

政策を作るのも妻と二人三脚でやってきたと泉は語っていたが、この夫妻にはかみ合わないことも多い。たとえば、あと2年で迎える銀婚式のこと。泉は目を輝かせてこう語る。

 

「先日親族で集まったとき、妻が自分の両親は銀婚式に海外旅行に行ったと話していたんです。もしかして、銀婚式の記念に旅行に誘ったら妻は一緒に行ってくれるんやろうか。2人で海外に行くなら計画を練らないとアカンでしょう」

 

洋子さんに聞いてみると、

 

「私は、銀婚式の記念でヨーロッパに行きたいと思っていますが、泉と2人きりでと思っているわけではありません。せっかくなので、『仲のよい友だちも一緒に』と言うかもしれません。そもそも社会貢献活動以外は趣味も合わないので、泉とはともにできることが少ないんです」

 

とつれない。

 

ちなみに泉の日常はこうだ。

 

「私は、目が覚めた瞬間に飛び起きるんです。パソコンの起動よりも速いですよ。5時半ぐらいに目が覚めた瞬間にフル稼働。ガーッと仕事をして、夜は、瞬間でシャットアウト。起きている間は、ずっとしゃべっています」

 

そんな夫に対して、低血圧で朝が弱いと言う洋子さんはあきれたようにこう語る。

 

「生まれ変わっても泉と一緒になるかと聞かれたら、多分結婚はしないでしょうね。一緒の墓にも入りたくないです。だってお墓の中でもうるさそうだから。死んだあとくらいはゆっくりさせてほしいのに、泉は墓石が揺れるぐらいしゃべっていそうです。なんだったら、墓参りに来た人にも話しかけるんじゃないかと思っています」

 

それに対して泉は、

 

「妻が『別々の墓がいい』と言ったときに思ったのは、『あ、生きているうちは大丈夫なんや』『死ぬまでは話を聞いてくれるんや』。ホッとする自分がいました」

 

泉は、とにかくくじけない。

 

「私は、最後は結果だと思っています。政治の結果は国民の笑顔や安心。すべての人が幸せになるのを見届けたいんです。人はどうせ死ぬんだし、死んだらゆっくり眠れる。生きているうちは精いっぱい生きていこうと思っています」

 

そう話す泉に、現在は兵庫県内で、社会活動団体を率いている洋子さんのこの言葉を贈りたい。

 

「実は、いずれ家族を解散したいなと思っています。離婚という意味ではなく、子どもたちが巣立ったら泉はしたいことをすればいいと思うし、私は私で福祉の仕事をまっとうする。いざというときに支え合えればいいかなと。ただ、泉も一生懸命に頑張っています。そんな彼と一緒にいたことは人生において面白かったと、最後は思うんじゃないでしょうか」

 

今日も、明日も、世のため人のためにと泉は走り続ける。熱血漢で時には誤解を招くこともあるが、最後に結果が出るまで──。

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