任期満了に伴う東京都知事選が6月20日に告示され、3選を目指して出馬した現職の小池百合子氏(71)。生成AIを使った「AIゆりこ」で実績をアピールした映像が話題になったいっぽう、Xに投稿した“ある動画”が波紋を呼んでいた。
小池氏のアカウントでは、19日までにキャスター時代にアラビア語でインタビューを行う映像が投稿されていた。だが直後に、削除されてしまったのだ。
削除されたのは、「都知事 アラビア語 本当に喋れる!?」と表示されたテロップで始まる動画。スタッフと思しき人物から「小池さんのキャスター時代の映像を入手しました!」とタブレット端末を渡されると、小池氏は「お宝映像じゃないですか」と歓喜した。
動画内で初めに紹介されたのは、ピンク色のジャケット姿の小池氏が「ヨルダンのアンマンに電話を入れてみたいと思います」と語る映像。これを見た小池氏は、「当時、湾岸戦争になりかけの時だと思うんですけれども、ヨルダンにいる方とアラビア語でやりとりしてる。生中継で」と説明。
次に紹介された映像では「確か環境大臣の時に、エジプトの結構有名な番組に出た時です」と振り返り、「通訳いません!」と自信満々に語っていた。
またアラビア語には文語体(フスハー)と口語体(アンミーヤ)の2種類があるといい、「これ(映像)は今、口語体で喋ってる。2カ国語やるようなもんですね」と解説。「結構しゃべれるんですね!」と投げかけられると、「いやもう半世紀前の話ですから、だいぶ忘れちゃいました」と謙遜していた。
動画を視聴したユーザーからは、小池氏の語学力を称賛する声も。だがイスラム思想研究者の飯山陽(あかり)氏は、19日にアップした自らのYouTubeチャンネルで小池氏のアラビア語力を酷評。
発音などを細やかに検証し、動画について「『こういう意味でゆり子は喋ってます』ていう体になっていることを、ゆり子は言えてないわけ。言えてないし、ちょっと何言ってるのかわかんない」とバッサリ。
続けて、「文法も間違えてるし、単語は何が言いたいのかも(わからない)。日本語のテロップ付いててなお、何を言ってんのかも、よくわかんないしみたいな。それぐらいの超絶低次元なんですよ」と批評していた。
そうしたなか動画は突如削除され、Xでは《なぜ削除したんだろう》と波紋が広がっていた。すると21日午前に、小池氏のXアカウントで彼女がエジプト語を話す動画が再度アップされたのだ。投稿欄には、次のようなコメントが記されていた。
《環境大臣時代にエジプトのTVに出演した映像、懐かしいですね。キャスター時代には、世界で最も難しい言語の一つであるアラビア語でのインタビューを、通訳なしの生放送で何度も行いました。 こうした経験が、都知事として世界中に東京の魅力を発信していくときに、私を助けてくれていると感じています》
また《※権利関係への配慮のため一部編集しました》とも記されており、動画内では最初に紹介されていたヨルダンにいる人物と電話でやりとりする映像はなくなっていた。
これに続く投稿では、キャスター時代に英語で会話をする映像も紹介した小池氏。この動画でも、《※権利関係への配慮のため一部編集しました》と記されていた。