6月22日、鳥の保護活動などを行っているNPO法人がXに投稿した内容が話題を呼んだ。
投稿をしたのは、神奈川県で動物保護を行っている「NPO法人ことりのおうち」。当団体宛てに突然、プラスチックのケースに入れられた“生きたセキセイインコ”がゆうパックで届けられたことを明かしたのだ。
送り主の記載はなかったようだが、ケースを包んでいた袋には「飼い主が亡くなった為、飼育ができなくなりました。どうかお引き取りいただけたら幸いです」というメッセージが。
ケースには保温用に使い捨てカイロが貼られていたようだが、空気穴はなし。このずさんな状態のまま“投棄”するような形で郵送されてきたことに、怒りをあらわにしていた。23日までに連絡がない場合、警察に届けると発表していた。
そして当団体は23日にXを更新し、送り主から謝罪の電話がきたと投稿。泣きながら連絡がきたとのことで、警察には届けないと明かしていた。
この驚きの投稿は7万件以上のいいねが集まり、Xで広く拡散。コメント欄には「命を粗末にするな」という怒りの投稿ともに、ゆうパックで生きた鳥を送れることに驚いたという声も寄せられていた。
《品名にセキセイインコって書いてあるのに宅急便として処理されちゃうのが謎すぎる インコちゃん無事で何よりですが開けられるまで辛かったよね》
《セキセイインコ(1匹)って書かれてて普通にゆうパック受け付ける郵便局… 燃える系の禁止物ばかりに目をやらないでこういう生き物もダメってしてほしい。可哀想》
《受け取る郵便局側にも問題あると思う 鳴き声とか聞こえなかったのかな??輸送中、この子は飲み食いも出来ず周りが見えなくて突然カゴが揺れたりして心細くて恐かっただろうに》
そのなかには、《ひどいことするもんだ…とゆうパックの規約見たら、同一県内なら小型の鳥は送れるんだ…。日本郵便は悪くないわこれ》という声も。
実はゆうパックでは哺乳類以外の小動物は、一部条件付きとなるものの郵送することができる。インコなどの鳥類は包装されており、同一都道府県内あてなら可。このことを知らなかった人も多かったようで、これにも驚きの声が寄せられた。
《送れてしまうことにビックリしました はじめて知りました》
《知らなかった……調べたら、距離とかの条件クリアしたら送れちゃうのか… でも、送れるからといって、小さな命を宅配便で送るなんて私は無理だぁ…》
そこで本誌は日本郵便に話を聞いた。
まず、生き物をゆうパックで送る際のルールだが、「弊社webサイトでお示しするとおりですが、哺乳類を除き、魚介類や昆虫類などの小動物は、他の荷物に損害を及ぼすおそれがなく、下記サイトに記載の条件を満たしたものに限り、お取り扱いしております」との回答。また、その理由についてこう語った。
「魚介類や昆虫類などの生きた動物をゆうパックで送付される場合、特別な取扱いは実施しないため、これに鑑み、小型の鳥類は近距離宛てとしていただくなどとしており、ご利用されるお客さまにおいては適切な包装などについてご対応をお願いいたします」
そして、輸送状態についても気になっていた人も多かったようだが、「当社では、温度(気温、水温)の調節、換気(通風の確保)、えさや水の補給等の輸配送中に特別な取扱いを行わないため、これらの措置が必要なものはお取り扱いしておりません」とのこと。
また「お荷物については差出すお客さまに、問題が無いように措置を講じていただいたうえでの発送をお願いしています」といい、発送の時点での状態の確認は行われるようだ。しかし目的までは確認しないとのことで、「ゆうパックで生きた動物を送付されるお客さまの目的などについては承知しておりません」との回答もあった。
最後に、ゆうパックで生き物を郵送することについて聞くと、こう警鐘を鳴らした。
「ゆうパックで生きた動物を送付されるお客さまの目的やご事情などは承知しないものですが、弊社においては特別な取扱いを実施しないため、特別な取扱いが必要な生き物のゆうパックでの送付についてはお控えいただきますようお願いいたします」
引き取った生き物は最後まで大切にしてほしいものだ。