7月10日、広島県・安芸高田前市長の石丸伸二氏(41)がYouTube番組『ReHacQ』に出演。NHKから国民を守る党の立花孝志党首(56)と自身が抱える裁判について舌戦を繰り広げた。
同番組序盤はゲストの経済学者の成田悠輔氏(39)とさまざまな意見交換が行われ、中盤にはスタジオで観覧していた立花氏から石丸氏へ質問する時間が。
石丸氏と初対面だという立花氏は「今日お伺いしたいのは、今回裁判2つお負けになってることについて、これまでyoutubeで説明されたりとかされてないんだったら、ちょっと皆さんが納得できるような弁明をしていただきたいなっていうのが今日の質問です」と切り出した。
石丸氏が負けた2つの裁判、1つ目は’20年8月に行われた安芸高田市長選でのポスターの印刷代の一部代金未払い問題で、7月5日に最高裁が同氏の上告を退け、約72万円の支払いを命じ、敗訴が確定。2つ目は、「恫喝を受けた」と石丸氏が市長時代の’20年10月にX上で恫喝を受けたと主張をしたことなどについて、名誉を傷つけられたとして、山根温子市議(68)が市と石丸氏に損害賠償を求めた訴訟のこと。
「議会を敵に回すと政策が通らなくなりますよ」という「恫喝」を受けたと主張する石丸氏に対し、7月3日に広島高裁は、録音データなどから山根市議が「恫喝」に当たる発言をしたことは認められないと判断し、33万円の賠償を命じた1審の判決を支持している。
これらの裁判について、立花氏は、ポスターの裁判に関しては合意形成がなされていなかったので問題ないとした上で、山根市議の件は2審ですでに敗訴している上に、一般的には棄却される可能性の高い最高裁まで上告している点を指摘し、今の考えについて弁明を求めた。
すると石丸氏は「じゃあ、“石丸構文”で返すと」と自身が揶揄されている話し方をジョークにして前置きしつつ「弁明ってのは何に対する弁明なんだろうってのは。説明でいいですか?」と切り返し、”恫喝はあった”という自身の「主張は変えてません」と説明。
立花氏は、石丸氏の主張は「最高裁でおそらく棄却されるんだろうと思うんですけど」と続けると、石丸氏は「そこはまだわからない」と否定し、立花氏が「わかりますけども」と言えば「個人のご感想ですよね?」と反撃。
立花氏も「これ、2審まで(判決が)出ていて、だから、そういう意味では往生際が悪いかなと思うんですよ。音声まであるのでね」と指摘すると、石丸氏は「音声は一部だ」として「その前のところに発言があった」と主張。
立花氏は「少なくとも広島高裁の現在の認定では、 石丸さんの誇張、独創的な主張であって、到底認められないと。しかも、これは名誉毀損ですから、場合によっては刑事罰まである」とし、「最高裁でもし棄却された場合には逆にどういう形になるか」今後の身の振り方について尋ねた。
それに対し、石丸氏は「今(判決が)出てるのは、安芸高田市が賠償責任を負ってます」と、公務としての発言だから責任を負っているのは市だと論点をずらす。すると、立花氏は紀藤正樹弁護士(63)が8日にXに投稿した《モンスタークレーマー》という石丸氏への評価に「すごく賛同する」と発言。最高裁は憲法解釈の謝りや重大な訴訟手続の違反がなければまず棄却されるであろう点を指摘した。
しかし、石丸氏は「それは最高裁が判断する話」とし、「自分でなんで先回りしてこうだろうと思って自説を曲げるんですか。だったら最初から言わなきゃいいじゃないですか」と反論。「実際やってきたことがその通りになってるんじゃないですか。 議会と対立すると、感情的に反対して政策を通さないっていうのをやってきてるわけですよ、安芸高田市議会は」と、行動そのものが恫喝であると主張。
立花氏も「それは恫喝じゃなくて意見表明だ」と応酬し、「非があれば素直に謝罪すべき」と主張するも、「自分に非があるなら認めますけど、非がないと主張してる人間に対してなにを素直に?」と石丸氏も譲らないまま。
立花氏の「このまま行くと、最高裁判所の決定が出ても、それは裁判所の判断で俺の判断、俺の考えとは違うからっていう考えを押し通そうということですよね?」との問いに対し、石丸氏は「押し通そうというか、そういう事実じゃないですか。もしそうだとしたら最初からそんなこと言わないですよ」と一歩も引かず。
「でも裁判で負けたら“ごめんなさい”をする人と、“いや、裁判所が悪い”っていう人で大きく違うと私は思いますよ」と続けた立花氏。その後もやり取りは平行線をたどり、「日本の司法がそう言ってるのに、“司法なんて関係ないよ”とかっていう行政の長とかが出てくるのはやっぱ恐ろしい」と締めくくった。