■“生きる希望”になってくれた愛娘 毎日のルーティンはキス&ハグ
母親としては、思春期の娘さんとの時間作りにも奮闘中。
「娘は中1で、ソフトボールとダンスに夢中。基本ママ好きな子なんですが、私はつい『こうしたほうがいいんじゃない?』と突っ込むおせっかいタイプだから(笑)、母子の議論も激しいです」
出産直後から、自身の入院などで、母子が離れる時間も長かった。
「娘を保育園に送ったあと、私が緊急入院となってしまい、娘が帰宅したら家にいないということがありました。それで寂しい思いをしたようで。小学校に上がるころに、娘と、朝のルーティンを決めました。『行ってらっしゃい!』と言いながらのキス&ハグ。
口げんかなどしたまま別れて、その後に何かあったら絶対後悔するじゃないですか。だからどんなに機嫌が悪くても、朝の見送りのときには互いに笑顔で挨拶するようにしています」
出産直後の発病だったが、最愛の娘がいたからこそ頑張れたのも、また紛れもない事実だ。
「最近は年ごろだからなのか、キスは『時短でカットね』と言われたのが、少し寂しいんですけど」
現在、ライルで対応している装具は小さめのものが中心だそう。
「数十種類あるうちの一部にしか対応しておらず、これからは、少し大きくてゴツめのものにも対応できるよう工夫したいです。ユニセックスデザインにも挑戦したい」
一人娘や、今も見守ってくれる実母、そしてブランドを手伝ってくれる夫にも支えられ、心のバリアフリーを成し遂げるために、布施田さんは今日も、人々の足元を彩り続ける。
(取材・文:堀ノ内雅一)
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